たい焼き4つ目。驚きの味 と はじまりの味。
私の通っていた学校には専属の病院の先生がいたので
その病院に行くことになりました。
キャリアが長く、なかなか評判の良い先生だと聞いて少し安心。
精神科や心療内科の先生は当たり外れがすごい、
と調べていたら出てきたもので…
相性あるもんなあと思いつつ、
そんな中でもいい評判であるなら大丈夫かも!ってね。
病院に到着して問診票を書き、診察待ち。
いつもなら少しドキドキする待ち時間ですが
この時は違いました。
話したところで私自身そんな変われないんだろうなあ。
私が何したのか知らないけど
これだけ辛いってことはなんかの罰なのかな。
きっと私が悪いんだ。何もかも。
もしかしたら今まで以上に
私が自分に甘いからこうなってるんだって現実を思い知らされるのかな。
そんなことを考えていたらすぐに呼ばれました。
考えていたからなのか予約してたからか…
ま、どうでもいいでしょう。
そして心療内科の先生から
「今ね、たい焼きちゃんは脳に分泌される、
セロトニンっていう幸せを感じるホルモンが人より出にくい状態になってるんだよ」
と説明してもらいました。
(本当はもっと時間をかけて説明してもらいましたがここではギュッとまとめますね。)
その時私すごくホッとしたんです。
「あ、私サボってるんじゃなかったんだ。私がダメだからじゃないんだ。」と。
そして先生はこう続けました。
「本当にここまでよく頑張ったね。辛かったでしょう?
好きなことしてゆっくり休んでいいんだよ。
それが今たい焼きちゃんに必要なことだから。」
…めちゃくちゃ泣きました。先生、初対面なのに。
親の前で泣くくらい泣きました。
すごいな先生って。
こんなにわかってくれるんだ私の気持ち。
私が言って欲しかった言葉をまんま言ってくれた。
ほんともう神だ…マリア様だ…
いや仏なのか…
ちょっと宗教も性別もごちゃごちゃになるくらいすごかったです。
いや宗教に興味がある訳ではないのですが。
まさかこんな事になるとは思ってもいませんでした。
パッパっとお薬を処方されるだけだと思っていた自分がとてつもなく恥ずかしい。
恐るべし。ドクター。Xだったのかも。
そこから私の闘病生活が始まりました。
正直この時は病気という実感はありませんでした。
中学時代から身体によくわからない湿疹がでていたので薬を飲むのは もはや日常的でしたし、
「なんか落ち込む日増えたよなあ」くらいの気持ち。
ところがどっこい!ある日のこと。
いつものように家にいたところ、
なんか今日めちゃくちゃ元気だ!という日がありました。
お!治ったか!!お!
よっしゃなんかスキップしちゃお!
歌も歌っちゃおーー!なんか笑けてくるぞ!
ん?なんでお母さん不思議そうな顔してるの??
私すごい楽しいよ!
テンション爆上げフォーーー!!ぽんぽーーん!
わたくし、急にパリピになりました。
あれあれどうしました?
私そんなキャラ違いますけども??
どちらかといえば三つ編みメガネちゃんキャラですけども???
自分でもおかしいな?と思ったのですが
なんせ鬱状態から抜けたのです!
その日1日ふわふわとしていて
ガハガハと笑いながら家の中をスキップ移動しておりました。
その時はもうこの先の人生バラ色に感じて幸せいっぱいでした。
「そいえば私昔から作文で褒められること多かったから思ったことを言葉にするのが得意なのかも!」
とソングライターのオーディションに応募したりもしました。
「これ合格して、何個か書いてるうちに天才だってニュースになって、それから色んな人に楽曲提供して…オファー受けて作家にもなったりするかも!」と本気で思っておりました。
まるで5歳のよう。
おかっぱの彼女とは違う、お馬鹿な5歳。
…いや、 気分的にはプリンセスでした。
ドレス、纏ってました。かぼちゃ、家にあったし。
それを馬車に変えてくれる妖精が見当たらなかっただけで。
ですが寝て起きた時。
そこにはまた今までと変わらない、
暗くて重たい日が待っていました。
「…ん?え、昨日のは…夢?」
まさかの夢オチに驚きを隠せない私。
あの有名なギャンブラーもその時の私を見れば
「狂ってやがる」と言ったことでしょう。
( "どいつもこいつも"の部分は一旦置いておいて。)
これが双極性障害の特徴です。
自分ではコントロールの出来ない気持ちの浮き沈み。
先程のようなテンションが高すぎる状態の事を「躁状態」といいます。
躁状態の時、
人によってはギャンブルに全財産をつぎ込んでしまったり、
自分はなんでも出来ると過信し突飛な行動を起こしてしまったりします。
それからしばらくすると人が変わったかのようにうつ状態に。
自分を永遠と責め続け、食欲も湧かず、なにかに怯え続ける日々。
はて、私は前世で大罪でも犯したのでしょうか。
もう!前世の人!なにやってるんだーーーい!
双極性障害を知らなかった私からすれば
「どうなってるんだこりゃ」の毎日でした。
わけわかめどころか、
わけわかめんたいこんぶってところです。
…何を言ってるんでしょうか私は。
その双極性障害には
他にどんな症状があるのかだったり
私の経験したこと、困ったこと、
そして私なりの対処法などをこれからお話しますね。
先生と話をしたあの時、涙が溢れ出すと共に
先生から後光が差しているように見えました。
まさに漫画やアニメのあの感じ。
これからの人生でまたあんな経験することあるのかな。
あるのなら次は…イケメンに出会う時かな。
最後のわけわかめんたいこんぶは中学時代の口癖です。
もう少し長かった気もするんだけど…
真相は闇の中です。闇の中でよかったのかも。
自分でも意味がわからない。