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『ソーセージ mari & mari』

【ソーセージ mari & mari】 〜♯6 ごみたまり、助け愛おばあさん愛

【ごみたまり、助け愛おばあさん愛】



毎日電車に揺られているといろんなことに遭遇する。

スマホでモンスター探すゲームに熱狂してる昨今、

平和ボケとも言えるほど危機意識がどこかへ飛んで行って

しまっていても、油断のないごみたまりはすぐそばに

ある危機を見逃さない。


「ハッ、痴漢! あたしがなんとかしなくっちゃ」


スマホに夢中の女の子はスカートの中に手を入れられそう

なのに気がつかないでいる。

ところがその反対側では着物姿の小柄なおばあさんが

よろめいていた。


「ハッ、こっちも?」


時々街で見かける老婆は自分の身の丈の数倍もある風呂敷

荷物をヨロヨロしながらかつぎ歩いている光景を目にするのだが、

このおばあさんも巨大な風呂敷荷物を網棚に上げようと

持ち上げるもバランス崩し今にも倒れる寸前だ。

女の子もおばあさんもピンチ!


「同時に解決するしかないじゃない! でも、あたしはひとりよ。

どーするあたし⁈」


過剰な使命感を常に秘めるごみたまりは、時として果断にして

大胆な行動力でその場をなんとかしてしまうオンナだ。

そして、今日も!


「にゃああああーーー!」


掛け声に意味はない。

が、次の瞬間風呂敷大荷物をおばあさんの上に落ちないよう

跳ね飛ばし、その勢いそのままに痴漢の上に振り下ろした。

痴漢は荷物の下敷きで身動きできず身柄確保。

痴漢行為は未然に防ぎ、おばあさんも怪我なく助かったのだ。


「わお、さすがあたし! おばあさん、大丈夫?」


その光景はおばあさんの目から見ても唖然だった。

風呂敷荷物の上に倒れこんだごみたまりはご満悦だが、

その下にはスマホ女の子も痴漢と一緒に下敷きになっていた。


「でも、これで痴漢は防げたわ」




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