第八十九話~お兄ちゃん、いきなりなにするの!~
二度寝をしてから一時間後、僕たちは兄さんに起こされた。
…………いや、正確に言うと僕は起こされた。
優香はまだ起きていない。
「そろそろ起きろ。もう十時だぞ?」
「あとごふんだけぇ………。」
優香は布団の中に潜り込んでしまった。
「はぁ……仕方ない。」
そう言って、兄さんは優香の布団をまくりあげ、優香を抱き抱えた。
「…………優香は相変わらず軽いな。優衣、ドア開けてくれ。」
「えっ……うん。」
僕がドアを開けると、優香を抱き抱えたまま下へと降りていく兄さん。
「優衣、すまないが氷をひとつとってくれ。」
「どうするの?」
「こうする。」
優香をソファーに座らした兄さんは、氷を受けとると、優香の背中に落とした。
「!?」
優香は声を出さずに飛び上がり、すぐさま氷を服から出した。
そして、その氷を掴んで、兄さん目掛けて投げた。
……が、それを兄さんは余裕の表情でキャッチする。
「お兄ちゃん、いきなりなにするの!」
「何って……お前の目を覚ますにはこれしかないかなぁ、と。」
兄さんが笑って言うと、優香は声を低くしていった。
「もっと他に方法があるでしょ……?」
「そう怒るなって……。言うことなんでも聞くから……な?」
兄さんは優香を怒らした時にいつも言う台詞言った。
それにたいして優香は、少し考えてから、
「……それじゃあ、かき氷買ってきて。」
と言った。
かき氷……ここからだと一番近いのは100メートル先にある小さな駄菓子屋だろうか。
「今からか?」
「もちろん。お姉ちゃんの分も買ってきてね!」
優香が笑顔でそう言うと、兄さんはすぐにかき氷を買うため家を出た。
更新遅れて申し訳ありません。
急いでかいたので、文章が短くなってしまいました。
次回の更新では、長めにかけるようにしようと思います。
更新日時は決まっておりませんが、遅くとも来週には更新します。