第八十八話~…………寝れないなぁ。~
「明日から夏休み~♪」
階段を登りながら、優香は心底嬉しそうに呟いている。
「でも、どこかに出掛けるとか何も決めてないよ?」
僕がそう言うと優香が足を止めた。
「明日、することないね……。」
「う、うん。」
僕はうん、としか言えなかった。
優香が涙目で振り返ったからだ。
「どうしよう……はぁ……。」
優香はゆっくりと部屋に入っていった。
僕達はあれからベッドのなかに入っていた。
「…………寝れないなぁ。」
優香は寝たみたいだけど、僕は全く寝付けなかった。
……喉乾いたし、何か飲もう。
僕は部屋を出て下に降りた。
リビングの明かりは消えていたが、なかで何かが光っている。
光の色が変わるところを見ると、テレビの光のようだ。
「誰かいるのかな?」
そう思いながらリビングにはいると、兄さんがソファーで寝ているのが見えた。
すぐさま近くにかけよって、
「兄さん、こんなところで寝てたら風邪引くよ。」
と、一言声をかけた。
「ん……優衣か……。今何時だ?」
「えーっと……。」
僕は壁に吊るしてある時計を見た。
「一時だね。」
「そうか……。」
兄さんはそういってゆっくり起き上がり、背伸びをした。
「……寝むれないのか?」
「それもあるけど、喉乾いたんだ。」
そういいながら僕は、冷蔵庫からお茶を取り出して、コップに入れて、一気に飲んだ。
「おやすみなさい。」
「あぁ、おやすみ。」
僕は部屋に戻った。
次の日、僕と優香が目覚めたのは九時だった。
「おはよぅお姉ちゃん………。」
「おはよぅ優香…………。」
僕達はそう言ってまた寝た
更新がかなり遅くなり誠に申し訳ございません。
最近かなり忙しく、こちらにもほとんど来ていませんでした。
受験は三月中旬なので、それが終わってから更新ペースを少しずつ戻していきたいと思っています。