表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日から僕は僕じゃない  作者: 氷瀬 豊
第一章~今日から僕は僕じゃない~
82/100

第八十二話~うつろな目をした唯ちゃん~


着替えが終わって僕たちは教室に向かって歩いていた。


「優衣、次はもう皆と一緒にいこうと思ってるんだ。」


「どうして?」


「…………なんか今日の事があったからもうどうでもよくなったんだよね。」


うつろな目をした唯ちゃんは僕にそう言った。

今日のことが相当ショックだったのかもしれない。


「姉さん、しっかりして。教室に帰ったらもう帰れるんだから。」


「…………うん、そうだね。」


いつもの元気そうな声で返事は帰ってこない。

次の体育の時に何もなければいいけど…………。
















「バイバイ、優香、優衣。」


「じゃあ、また明日学校で。」


「うん、また明日。」


「唯ちゃん、咲ちゃん、バイバーイ。」


僕たちは手を振りながら歩いていく二人を見ていた。

二人が前を向いて歩き始めると、僕たちは家の中に入った。


「ねぇ、優衣ちゃん。」


僕が家に上がると、優香が靴を脱ぎながら僕に話しかけてきた。


「どうしたの?」


「唯ちゃん、今日は元気なかったように見えたんだけど、優衣ちゃん…………お姉ちゃんは何か知らない?」


…………はじめてお姉ちゃん、って呼ばれたよ。

でもどうしてだろ?


「お姉ちゃん、って呼んじゃダメかな? …………どっちもゆいちゃんだから、分かりにくくなると思ってそう呼んだけど…………。」


「別にいいよ。いきなりの事だったからちょっと驚いただけ。」


「ありがとう…………で、お姉ちゃん、何か心当たりはある?」


心当たりしかない…………。


「多分、体育の着替えの事だと思うよ。僕は優香といたからなれたけど、唯ちゃんあんまり免疫ないと思うんだ。でも、これからなれていくから大丈夫だと思うよ。」


「そうだったんだ…………教えてくれてありがとう、お姉ちゃん。」


そう言って優香は少しほっとしたようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ