第六十九話~唯ちゃん、これつけてっ!!~
僕たちはお昼を食べ終えて、話をしていた。
「じゃあ、こっちの唯さんももとは男なんですか?」
「そういうこと。まぁ、髪の色は優衣と違って銀色だけど。」
「そういえば…………目の色も赤色ですね。」
茜は唯ちゃんの目をじっと見て、言った。
「…………赤色の目ってことは、やっぱりうさ耳似合うかもね。」
そう言って優香は鞄を漁り始めた。
…………もしかして、そのうさ耳とやらを持ってきてるんじゃ…………。
「唯ちゃん、これつけてっ!!」
そう言って優香はうさ耳を唯ちゃんに渡した。
僕の予想は当たっていたようだ。
「…………それより、優香はなんでそんなもの持ってるの?」
「何かあったときのために、前の旅行で買ったんだよっ!!私がつける訳じゃないけどね!!」
「…………そ、そうなんだ。」
とてもテンションの高い優香に僕は動揺していた。
「優香、着けたよ。」
「じゃあ、そのままこっち向いて笑って。」
唯ちゃんが笑顔になった瞬間、カシャッ、と音がした。
…………どうやら、ケータイで写真を撮ったらしい。
「これでオッケー。唯ちゃん、耳いるならあげるよ?」
「…………じゃ、じゃあ、貰っておく。」
少し恥ずかしそうに言いながらも、素早くうさ耳を鞄にいれた。