第六十四話~…………唯さん?~
授業が終わり僕たちは家に帰ってきた。
「ただいまー。」
「おじゃまします…………。」
不知火さんを連れて。
「ちょっとここで待ってて。すぐ着替えてくるから。」
僕は不知火さんをリビングに案内してから、部屋に向かった。
「じゃあ、行くか。」
「お兄ちゃんたちどっか行くの?」
「ちょっと用事。晩飯までには帰るように…………。」
「私も行くー。」
優香はこちらにかけてきた。
優香も一緒に行くことになった。
僕たちはまず電車に乗って隣町まで向かい、駅を出てすぐのマンションに入り、エレベーターで3階まで上った。
エレベーターを出て少しあるくと、不知火さんはひとつの部屋に鞄から出した鍵をさしこんだ。
どうやらここが不知火さんの家らしい。
「どうぞ入ってください。」
「おじゃまします。」
僕たちは中にはいると、ひとつの部屋に案内された。
「姉はここにいます…………入るよー。」
「…………お帰り、咲…………その人たちは?」
そう言って不知火さんの姉さんは僕たちを見た。
髪の毛は銀色で、僕と似ているような気がする。
と、その時、僕と視線がぶつかると、彼女は固まった。
「…………あっ、あんたは優衣!?」
「えっ!?なんで僕の名前を!?」
「…………でもあれは夢じゃ?」
夢…………その言葉を聞いて今度は僕が固まった。
そして僕は思い出した。
「…………唯さん?」
「やっぱりあの夢の時あった優衣か!!」
「はい。お久しぶりです。」
僕たちのやり取りを見ていた咲さんは言った。
「二人は知り合いだったんですか?」
「まあね。」
「…………それより、唯さんが男だったと聞いたんですけど。」
僕がそう言うと、唯さんは驚いた様子を見せて…………泣き始めてしまった。
番外編で先にでてきた唯が早くも本編登場!!
…………番外編とは一体なんだったんだ。
と思う方、そこは言わないでくださいm(__)m