第五十八話~すごく見られたような気がするよ。~
あれから何日か経った。
遂に学校が始まる。
今日は入学式だ。
「よし、いこうか。」
「いってきまーすっ!!」
「いってきまーす。」
僕たち三人は家を出た。
家を出ると、由紀もちょうど家から出てきた。
「おはよう、由紀。」
「由紀ちゃん、おはよー!!」
「おはよう、由紀ちゃん。」
「おはようございます。」
由紀は微笑みながらそう言った。
兄さんがいるからなのか、由紀は敬語を使っている。
いつもとは違う。
「じゃあ、いくか。」
兄さんを先頭にして、僕たちは歩き始めた。
僕たちが校門の前の方まで来ると、後ろから誰かが僕たちを呼んだ。
僕たちは後ろを振り向く。
「勇樹ー、おっはっよー!!」
その瞬間に葵さんが兄さんに抱きついた。
茜はそのあとから走ってきた。
「おはようございます。」
「おはよー、茜ちゃん!!」
「おはよう、茜。」
僕たちはそれぞれ挨拶をしてから、校舎へと向かった。
僕と優香と由紀と茜は同じクラスだった。
運がいいのかも。
まあ、これから新しい友達もできると思うけど、中学からの友達はいた方が良いからね。
…………それにしてもここに来るまで、すごく見られたような気がするよ。
やっぱり髪染めた方がよかったかな?
僕はそう思いながら髪の毛をさわっていた。
その時、肩に誰かの手がのせられた。
「よっ、久しぶり。」
「あっ、大翔。」
「髪がどうかしたのか?」
「ちょっと目立つかなー、と思って。」
ちょっとどころじゃないような気がするけど。
「そうか、お前らもこのクラスか?」
「お前らって…………大翔はこのクラスなの?」
「そうだよ。」
まぁ、この教室のいる時点でそう思っていたけど…………まさか、全員一緒のクラスになるなんてね。
僕はそれが嬉しくてたまらなかった。
昨日活動報告で2回更新するといっておりましたが、それはやめて、代わりにいつもより長めの文にしました。
2本書いても、短いものが2本だと殆ど内容は上の文と変わらないと思ったので、こういう形にさせていただきました。