56/100
第五十六話~つまみ食いはしちゃダメだよ。~
「じゃあね。」
「バイバーイ。」
「バイバイ。」
…………結局由紀が何故来たのかは分からなかった。
しかも、話していたのでもう夕方だ。
兄さんが帰ってくるまでにお風呂入っとこ。
「ただいまー。」
「お帰り、兄さん…………それは?」
「晩飯のおかずだよ。惣菜買ってきた。」
そう言って兄さんは袋を机に置くと、ご飯を炊く準備をし始めた。
兄さん今日はどこへいってたんだろう?
友達の家だとは思うんだけど、気になる。
…………聞かないでおこう。
「…………これでいいな…………風呂でもはいるか。」
兄さんはリビングを出ていった。
「今日のご飯は何かな?」
優香は袋をあさりだした。
「優香、つまみ食いはしちゃダメだよ。」
「わ、わかってるよ。おかずが何か気になっただけだから。」
…………言わなきゃ食べてたろうね。
今日は別に動いてない視お腹なんて減らないと思うんだけどなぁ。
とりあえず、母さんたちが帰ってくるのを待とう。
…………それまで優香を見張らないと。
僕は母さんたちが帰ってくるまで、優香を見張っていた。