第四十九話~…………何故メロンパン~
「優衣ちゃん。」
「どうしたの?」
横でテレビを見ていた優香が話しかけてきた。
「学校いくとき、髪は染めるの?」
「うーん…………染めない。」
面倒くさいだろうし。
「じゃあ、目立つね。」
「そうだね。かなり目立つかも。」
普通に染めたような色とは、少し違うような気もするし。
「それにしても、長くて綺麗な髪だねぇ。」
「…………ちょっと鬱陶しいし、切った方がいいかな?」
「…………切らない方がいいと思うよ。似合ってるし。」
「じゃあ、切らないでおくよ。」
それから、優香とずっと話をしていた。
「ただいまー。」
「お帰りなさーいっ!!」
優香はそう言って、リビングを出ていった。
「ただいま。」
「お帰り、兄さん。」
兄さんを見ると、右手は袋をもっていて、左には優香が引っ付いている。
「昼飯、パン買ってきたけど、食べるか?」
そう言って兄さんは袋からパンを出した。
出したパンを見ると、すべてメロンパンだ。
…………何故メロンパン?
僕はそう思いつつも、メロンパンをひとつ手に取った。
メロンパンはどちらかというと好きだし。
「いただきます。」
兄さんは最初に食べ始めた。
「いただきまーす。」
「いただきまーすっ!!」
兄さんに続いて僕たちも食べ始めた。
「本でも読むか。」
そう言って兄さんは立った。
「お兄ちゃんって、どんな本読んでるの?」
「色々なジャンルだな。」
「どんな本があるか、見に行ってもいい?」
「あぁ。」
「優衣ちゃんも一緒にいこ?」
「うん。」
僕達は兄さんの部屋に向かった。