第四十五話~私のリクエストは!?~
あれから兄さんはずっと葵さんを撫でていて、僕達3人は茜と話していた。
「葵、晩飯食っていくか?」
時間はもう5時だ。
だから兄さんは聞いたのだろう。
「うん、食べていくっ!!」
葵さんがそういった直後のことだ。
茜のケータイが鳴った。
「…………姉さんメールでお母さんが今日はすき焼きだよ♪って。」
「えっ!?…………すき焼きも食べたいけど、勇樹の料理も食べたい…………どうしよう…………。」
「それなら、帰った方がいいと思うよ。俺の飯が食いたいんだったら、次食えばいいんだし。」
「…………じゃあ、今日は帰るよ。」
そう言って、葵さんは帰る用意をし始めた。
「今日はありがとう。それじゃあね♪」
「お邪魔しました。」
「気を付けて帰れよー。」
茜たちはそう言って帰った。
今日はゆっくり話せたよ。
…………葵さんとは殆ど話してないけど。
「さて、晩飯作るか。静香さん食べたいものありますか?」
「そうねぇ…………オムレツかハンバーグかな?」
「…………それじゃあ、天ぷらにしましょうか。」
「私のリクエストは!?」
「…………冗談ですよ。天ぷらじゃなくて、ハンバーグ作るつもりですよ。」
兄さんは笑った。
静香さんはそれにたいして、頬を膨らませている。
「母さんに電話するか。お前ら先風呂入っとけ。」
「はーい。優衣ちゃん一緒にはいろっ!!」
「あっ、ちょっと引っ張らないでよっ!!」
僕はお風呂までつれていかれた。
僕は今湯船に使っている。
優香を背にして。
「優香、優衣、入るね♪」
「静香さん!?」
僕は思わず振り返った。
…………静香さんはタオルを巻いていた。
僕にとってこれはいいことなんだよ。
「優衣、もしかして妹の裸見られないの?」
「まぁ…………そうだね。」
「私もそうだったよ。姉さんとお風呂に入っても、殆ど顔も見なかったよ。今は大丈夫だけど。」
「3人じゃ狭いし、僕もうでますね。」
僕はお風呂を出た。