第四話~第二の人生と思え…………ない~
優香が泣き止んでからは、二人で話をしていた。
「ユー君」
「何?」
「……どうして、金髪なの?」
そう言われればそうだ。
「それに、今のユー君って見た目は殆ど外人さんだよ?目の形は日本人っぽいけど……」
兄さんにもそんなこと言われたっけ。
まあ、見た目は特に気にしてないからいいや。
それより、優香ももう気絶はしないようだし。
心配なので、一応優香見てみると、僕の方を向いて目を輝かせている。
どうしんたんだろう?
「優香、目が輝いてるよ?」
「だって………」
優香がそういいながら、
「ユー君が可愛いから!!」
僕に抱きついてきた。
……可愛いと言われてもあまりぴんとこないのは、もとが男だからかな。
それとも、僕が元々こういう性格なのか…………
「どうしたの、ユー君?」
「ん?…………ちょっと考え事してだけ…………そろそろ離れてくれないかな?」
「あっ、ごめんなさい、あまりの愛らしさに我を忘れて…………」
顔を赤らめながら、恥ずかしそうに優香は言った。
…………愛らしいって、僕はハムスターのような小動物じゃないんだよ!
…………でもハムスターって可愛いよね♪
「そういえば、お兄ちゃんは?」
「兄さんなら、図書館に行ったよ」
「なんで?」
「僕が男に戻れないか、調べるって言ってた」
「そんなことわかるの!」
「…………いや、多分分からないと思う」
だってこんな話聞いたことないし。
まぁ、過去に事例があるなら別だけど。
それからは、兄さんの帰りをずっと待っていた。
あれから一時間たった。
「ただいまー」
兄さんが帰って来た。
さて、収穫はあったのかな~♪
「お帰り兄さん、どうだった?なにか分かった?」
「嘘かもしれないが…………ひとつだけな」
やった!!
希望が見えてきた!!
「勇翔落ち着いて聞けよ」
「う、うん……」
僕はそう思っていた。
でも、いいことが分かったような感じではない。
「お前は…………もとに戻れない、かもしれない」
「えっ…………どう言うこと?」
もとに戻れない?
…………考え方によっては、それはそれで悪くはないかも。
例えば、第二の人生と思え…………ないか。
でも、兄さんどうしてそんなことが分かったんだろう?
「実はな、そういう本があるのは空想上の物ではないかと思って探してたら、一冊出てきたんだ。で、中身をみたんだけど、その作者も今のお前と同じ状況になってるらしくて、一生戻れないことが分かってるらしい…………嘘の可能性は高いけどな」
「じゃあ、その作者に聞いてみれば?」
「それがな…………この本色んな話が書いてあって、この本自体の制作者だけは調べたんだが、亡くなってるみたいで、それぞれの話の作者の名前は書いてない…………それに、その話の作者ももう亡くなってる可能性が高い…………」
「…………そうなんだ。それじゃあ仕方ないね」
「ごめんな、力になれなくて…………」
兄さんは俯いてしまった。
「兄さんは十分頑張ってくれたよ。それに、僕がもしこのまま女として一生を終えても、楽しければそれはそれでいいと思う。だから、顔をあげて」
僕がそういうと、兄さんは顔をあげてくれた。
「……ありがとう、勇翔」
兄さんが珍しく微笑みながら僕にそう言った。
更新遅れてすいません。
何故か、スマホがインターネットに繋げなくなってしまいました…………
明日も更新あるかもです!