第三十二話~そ、そうだよお兄ちゃんっ!~
「ただいまー」
「はぁ……はぁ……疲れた…………」
あのあと僕はずっと走っていた。
久しぶりに走ったよ…………それにしても体力が落ちてたな~。
なにもしてなきゃそりゃ落ちるだろうけど…………この体になったからかな?
「優衣ちゃん、お兄ちゃんお帰りー」
僕たちが玄関から上がると、優香が降りてきた。
「ただいま優香。これ食べるか?」
手に持っている袋をあげて言う。
「なになに?」
「アイスだよ」
「アイス?……やったー!」
優香は跳びまくっている。
そんなに喜ぶ必要ないような気がするけど…………
「とりあえず今食べないやつは、先に冷凍庫にいれようよ」
「そうだな」
僕達は食べる分だけ残して、あとは冷凍庫にいれた。
「美味かった。そろそろ晩飯の用意…………カレーがあったんだ。母さんに電話しとくか」
兄さんはポケットからスマホを取り出して、母さんに電話した。
「もしもし、母さん?…………今日の晩飯、優香たちが作ったからな…………そうだよ。昼に食べたけど、ちゃんとできてたよ。それじゃあ…………」
兄さんはスマホをポケットになおした。
「さてと…………風呂でも入るか…………二人とも一緒に入るか?」
「…………兄さん、なにいってるの?」
「そ、そうだよお兄ちゃんっ!」
優香は顔を真っ赤にしていった。
もしかして、別に良いと思ったのかなぁ?
…………これからは、優香にも気を付けないといけないかもねぇ。
「冗談冗談」
「だよね…………兄さん、僕達部屋にいるから、お風呂からでたらいってね」
僕達は部屋に戻った。