第三十話~……………………にゃに?~
まぁ前に食べたとき、
「野菜でかすぎだろ~」
と笑われた。
今日は絶対うまいと言わせてやる!
「はい、どうぞっ!!」
「やけに気合いが入ってるけど…………野菜の大きさはどうなってるんだろうな」
そう言って兄さんは一口食べた。
…………なにも言わない。
もしかして美味しくなかった!?
でもさっきはちゃんとカレーの味だったよ?
兄さんはなにも言わずに立ち上がると、
「二人ともちょっと来い」
と、低い声でいった。
兄さん、無茶苦茶怖いよ…………
恐る恐る僕達は兄さんのもとまで歩いていった。
次の瞬間、兄さんは両手をあげた。
叩かれないよね?
兄さんはその手で僕たちを………………抱き寄せて、撫でた。
「この前みたいに失敗してないし、美味しいぞ」
…………わざわざそれを言うために立ったの!?
「お兄ちゃん、有り難う~♪」
優香はデレまくってるし、兄さんは笑ってるし…………でも、やっぱり家族って良いね。
僕はその時、心のそこからそう思った。
あれから僕は部屋でごろごろしていた。
「暇だなー」
優香は友達の家にいっちゃうし、兄さんは買ってきた本を読むために部屋にこもってるし…………
暇だよ。
僕はベッドの上でごろごろしていたが、いつのまにか寝てしまった。
「優衣ー」
「ふにぁ?……………………にゃに?」
「コンビニいくけど、一緒に行くか?」
「ふぁ~…………うん。一緒に行く」
「分かった」
少ししてから、僕達は外に出た。