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今日から僕は僕じゃない  作者: 氷瀬 豊
第一章~今日から僕は僕じゃない~
3/100

第三話~可愛い顔が台無しだよ~

兄さんが部屋を出てから数分後、階段を下りてくる足音が聞こえた。

ようやく降りてきたみたいだ。

よし、ちょっとふざけてみようかな♪


「お兄ちゃん、朝からなんなの?」


「ちょっとな…………とにかく、入ってくれればわかるから」


「分かったから、押さないでよ!」


優香がドアを開けて入ってきた。

初めになんて言うのか気になるなぁ、と思いながら優香に挨拶する。


「優香おはよう~」


「……………………誰?」


そうきたか。

……それなら!


「僕の事を忘れるなんて…………酷いよぅ……」


泣いてるふりをしてからかってみる。

…………ちょっと楽しいかも。


「泣かせてしまった!? な、なに私この人と知り合いなの!?」


「知り合いもなにも…………ふざけるのをやめろ、勇翔」


兄さんが真面目に言ってきた。

それもそうだよね。

僕のために兄さんは、動いてくれてるんだから、その兄さんの前でふざけるのは失礼だよね。


「ごめん兄さん」


「分かればいいんだ…………優香、今ちらっといったけど、いつは勇翔だ」


優香はそれを聞いて兄さんの方から、ゆっくりとこちらにひきつった顔を向けた。


「…………ほ、本当にユー君なの?」


「うん…………驚いた?」


僕がそういうと、さらに驚いたのか、ふらふらしてから一言、


「…………ちょっと、目眩が…………」


と言って、気絶してしまった。

なんで、気絶するんだよ!?

むしろ僕が気絶したいぐらいだよ!

僕は心の中で思いっきり叫んだ。

…………それにしても、どうしよう?


「勇翔、優香を運べるか?」


兄さんが、試すような物言いで言ってきた。

…………それにしても、兄さんは本当に冷静だな……

そこは「優香、大丈夫か!?」ぐらい、言ってもいいと思うんだけどな。

とりあえず優香を運ばなければ。


「聞いてるか、勇翔?」


「聞いてるよ」


僕は優香を持ち上げようと、手を首と膝の後ろに持っていき、持ち上げようとする、


「…………あれ?」


が、どうやっても持ち上がらない。

…………優香ってこんなに重たかったかな?

優香には、口がさけても言えないようなことを、心のなかで僕は呟いた。


「どうした?」


「……持ち…………上が……らない……」


「…………勇翔、俺の手思い切り握ってみろ」


「え?」


「いいから早く」


こんなときに兄さんは…………。

とりあえず、言われた通り思い切り握る。


「お前、握力落ちてるな」


「…………まじ?」


「ああ、身体能力は全部落ちてるかも知れねぇ」


なんだってー!

…………ということは、


「僕に優香は運べない!」


「まあ、そういうことだな。俺が運ぶから心配すんな」


「わかった…………って、なんで僕のベッド!?」


「いや、お前ら仲良いし」


…………まぁ、いいか。







あれから10分がたった。


「……………………ここは?」


「僕のベッドの上だよ」


僕の声を聞いて、優香はこちらに体を向けた。


「ユーくん!」


そう言って優香は、僕を抱き締めてきた。

そして、少ししてから泣き始めた。


「ど、どうしたの!?」


「だって…………ユー……くん…………女の子にっ……」


……優香は優しいな。


「……大丈夫だから…………そんなに泣くと、かわいい顔が台無しだよ?」


優香の頭を撫でながら言う。


「それに、容姿が変わっても、中身は僕だよ。どんなことがあろうとね」


僕は優香を安心させようと、そう言った。

その言葉を聞いて、優香は泣き止んだ。








優香にはああいったが、僕はそのとき内心こう思っていた。




「今日から僕は僕じゃない」と。


ちょっと今日は忙しくて、更新が遅れてしまいました。

明日も更新するかもです。


誤字があったとき、質問があるとき、不可解な点があるとき、はメッセ、コメントでお願いします!!!

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