第二十八話~だ、大丈夫、優香っ!!~
「今日はなにしようかな?」
あれから、兄さんは朝御飯を食べてから出ていって、優香はまだ寝ている。
そろそろ起こさないと、もう10時だ。
「優香、起きなきゃダメだよー!!」
「…………わかったぁ…………」
優香はゆっくり起き上がると、すぐに立って、部屋を出ようとして、覚束ない足取りで歩きはじめた。
瞬間、優香はドアの横の壁に頭をぶつけた。
「だ、大丈夫、優香っ!!」
「うん、大丈夫。目が覚めたよ……」
そう言いながら、打ったところを触っている。
涙目だし、相当痛そうだ。
「冷やさなくても大丈夫?」
「うん。それより、朝御飯食べたい!」
「わかった。それじゃあ先に顔洗ってきて」
「はーいっ!」
優香は洗面所に駆けていった。
「はい、どうぞ」
「いただきまーす」
優香は少し暖めた魚と味噌汁、ご飯を食べ始めた。
僕は先に食べたけど。
「そういえば…………お兄ちゃんは? 」
「出掛けたよ…………食べながら話しちゃダメだよ!」
「気を付けるよ」
そう言って優香はご飯を口に運んだ。
「ご馳走さまでした!」
優香はそう言って、食器を流しに持っていった。
それにしても、この体で生活することにも慣れてきた。
不便なことはあまりない。
力はないけど困らない。
使うこともないし。
…………とりあえず、今日は色々してみよう。
明日からまた学校が…………
と言いつつ明日も更新する予定です。