第二十四話~お前らそんなに~
僕が下に降りていくと、優香と兄さんがいた。
でも母さん達がいない。
「母さん達は?」
「知り合いの家に飲みにいくってさ。だから今日は帰ってこないって」
「そうなんだ」
母さん達はお酒を寝るまで飲むから、知り合いの家で飲んでその日は泊まって、朝早くに帰ってきてすぐ出ていく、というコースが定番だ。
だから特に驚かない。
「「「いただきまーす」」」
僕達は晩御飯を食べ始めた。
「「ご馳走さまでした」」
僕と優香は二人揃って言った。
すると兄さんが不思議そうに言ってきた。
「お前らそんなに声似てたか?」
「…………そんなに似てるかな?」
「ああ。でも、優衣の方がちょっと高いかもな…………まぁもとからよく似てたけど」
…………もとから?
それって男の時からってこと!?
…………確かに顔は母さん似だよ。
声も高い…………というより女の子みたいだったよ。
でも、力もそこそこあったし、格好は男っぽかったよ…………多分。
「確かに髪が長かったら私と間違えてもおかしくないくらい、もとから女の子みたいだったよね~」
…………後で自分で写真でも見てみよう。
今となっては本当に女の子になっちゃったし、気のすることではないけど。
気になる…………自覚なかったし…………
「兄さん、ちょっと僕のアルバム見たいんだけど…………部屋に後で行ってもいい?」
「ああ…………どうせなら俺の部屋で寝るか?」
「…………気が向いたらね」
それどころじゃないので、僕はなにも言わなかった。