第二十三話~大切なお姉ちゃんだもんっ~
あれからは僕がこうなったから、高校が違うんじゃないかと質問されたりした。
他にもいろんな質問に答えた。
でも、みんないつもと僕に対しての接し方は変わらない。
それが、僕にはとても嬉しかった。
…………泣きそうになるぐらい嬉しかった。
泣いてしまう前に時間が時間で帰ってきたけど。
「優衣ちゃん、目がすごくウルウルしてたけど…………大丈夫?」
「うん。心配させてごめんね」
「いいよ。優衣ちゃんは私の大切なお姉ちゃんだもんっ」
優香は僕に笑顔で答えてくれた。
…………ヤバイ泣きそう。
でも、今泣いちゃいけない!
「ありがとう、 優香」
僕はそう言って精一杯微笑んだ。
そして涙を見せないようにするために、ベッドに飛び込んだ。
「優衣ちゃん、起きてー。ご飯できたよー」
「…………ふぇ?……………………もしかして寝ちゃってた!?」
慌てて時計を見る。
6時半だ。
今日は晩御飯を食べる時間が少し早いかな。
いつもは7時を過ぎるんだけど…………どうしたんだろう?
「はやく行こうよっ」
「えっ……うん、先に行って。すぐに行くから」
「わかったー」
優香は下に降りていった。
僕は立ち上がって、ぐぐっと背伸びをしてから部屋を出た。