第二話~優香に信じてもらわないとねっ~
「どうしたんだ!?」
兄さんが慌てて駆けつけた。
あまりの悲しさに、僕は兄さんに抱きついてしまう。
「僕っ…………女の子に…………」
「何いってるんだ?君は元々女の子じゃないのか?」
「だから…………僕は勇翔なんだってば……」
「あぁなるほど…………とはならないかな」
「…………どうしたら信じてくれる?」
僕にはどうしたら信じてくれるのかが、分からなかった。
だからこうして聞くことにしたのだ。
「…………好きなことは?」
「えっーと…………家族旅行かな」
毎年行く旅行が僕の一番の楽しみだ。
「…………こんなことで信じるのはどうかと思うが…………信じるよ」
「えっ……本当に?」
「ああ、俺は嘘はつかない! それに、口調が勇翔だったからな」
口調…………。
「…………兄さん、信じてくれてありがとう」
とりあえず信じてくれたよ…………兄さんは。
でも、母さんたちには何て言えば…………そうだ、兄さんという頼れる人がいるじゃないか!
兄さんに手伝ってもらうのが、最善の手だと僕は思った。
「兄さん、部屋に戻ろう」
「?…………ああ」
僕たちは部屋に戻った。
さて、どうすれば母さんたちに信とじてもらえるか。
「兄さん、母さんたちには何て言えばいい?」
「…………俺と優香が説得する。…………だからまず優香に信じてもらおう」
「分かった。じゃあ早速……」
「待て勇翔」
兄さんは僕の肩をつかんで言った。
なんだろう?
「お前、優香になんて言うつもりなんだ?」
「…………考えていませんでした」
「だろうな…………優香を俺がこの部屋につれてくるから、お前は待ってろ。この部屋で説得する。それでいいな?」
「分かったよ、兄さん…………説得って?」
「色々優香には質問してもらおうと思う。…………それでいいよな?」
「うん。」
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