おかえり
気まぐれ更新が続いております。。。
このお話は『桜の国のコトノハ使い』よりも少し前の時間軸のお話とお考えください。
「というわけで、さぁ!れっつらごー!!」
「ちょ、ちょちょちょ、待って、心の準備が!!」
「問答無用~♪」
なぜ、こうなった。と心底問いたい気持ちのリキューラである。
サントゥーラは有無を言わさずリキューラを神殿の転移の間に引っ張り込み、神族の神官達が恭しく頭を垂れる中、呪を口にした。
「風よ!我等を彼の地へ運べ!」
創製神一族のみが持つという万能の力“コトノハ”。
“世界”が“製作者”の願いを聞き届けるそれは、子が親の愛情を得ようと期待に応えるのに似ている。
“製作者”がその“世界”に近しければ近しいほど威力が上がるのだ。
この世界“イオ”は、創製神クマリが創った最古の“世界”であり、クマリの子どもである創造主達が生まれる前から存在する。
静かな終わりに向かう“世界”は、クマリとクマリの子ども達に最後に良いところを見せようとしているのか。
まばゆい光を放ち、神官達が今まで見たことのない程の力が転移陣に込められ、発動した。
「こ、心の準備がぁあああ!!」
そんな、リキューラの必死な叫びとともに。
***
チチチ・・・
転移先は鬱蒼とした森の中の転移陣だった。
「・・・室内じゃ・・・ないんだ」
呆然と呟いたリキューラに、サントゥーラは笑いながら答える。
「“約束の地”だもの。管理人なんて要らないし」
1人の創製神につき1つの“約束の地”が与えられる。創製神はそこで数多の“世界”を管理する。創造主達も同様に。
そして“約束の地”は創製神そのものである。その中で起こったことは創製神に筒抜けであり、管理も息をするように自然にできる。
「まぁ、そうだよね・・・」
「リキュったら気付いてる?さっき“約束の地”って言葉を無意識で口にしたみたいだけど、それって創製神一族しか知らないものなのよ?」
「え!?・・・そ、そうなの?」
「養育された場所で誰かに教わったわけじゃないでしょ?」
「・・・あ」
「まぁ、それこそがリキュが創製神一族である証なのよねー」
「この知識も、俺の母親からの贈り物ってこと?」
サントゥーラはそのリキューラの問いに笑みをうかべるだけで答えず、左手をまっすぐ前に向けた。
「―――お帰りなさい、リキュ。全ての答えは、この先にあるわ」




