38/49
滅びる世界
本格的に新章開始です!
創製神クマリの世界に初めて生まれた“イオ”と呼ばれる世界。
世界が生れた当初は交流もあった人間と神族が関係を断って久しく、精霊と呼ばれる存在を知覚できる人間も今現在は存在しない。
その世界が緩やかな滅びへと向かっている。それを知るのは神族のみであり、彼等と関係を断った人間には知り様も無いことであった。
「ふふ。ここね?」
湖水の色をした髪をさらりとかきあげて、少女は口元をほころばせる。
「さぁ、終わりの始まりよ・・・?」
この世界が滅びることなどないと信じ切っているこの世界の人間達。彼等に引導を渡すのが少女と―――彼の役目。
「・・・彼は元気かしら?」
楽しげに呟く少女の目の前には、人間の国の中で最も栄えている国・フォルストの王城ウィンドラー城がそびえたっていた。




