プロローグ・世界の名前と新たな舞台の開幕
この後からしばらくカナン達の出番はありません。。。
一人称ではなく、三人称で進みます。
あれから数日が経った。
創製神クマリにより完全に消滅された者以外は再生された。しかし、カナンの左目の創については本人の希望により残されることになった。
「どうしてソレ、残したのよ」
「戒めと・・・思い出、かな?」
裁きを受けて謹慎中のジュノーに会いに行った際にそう問われ、カナンは苦笑いをうかべてそう答えた。
新世界での出来事はカナンにとって忘れられないものとなった。左目の創はその象徴ともいえる。だからこそ、今後のために残すことに決めた。
とはいえ、精神体の部分は回復しているのだから、ただ見た目の問題であるため、ジュノーは深く追求するのを止めた。
「ふぅん、まぁいいわ。・・・ところで、世界の名前は決まったの?」
「ああ、うん。母さんには報告したよ」
「なんて名前?」
「【オールジア】・・・カッコいいだろ?」
「・・・そうね、カッコいいわ」
「これであの世界は僕の手から離れた。・・・また新たな世界を生み出さなきゃならないし、姉さんの謹慎がとかれたらバリバリ働いて貰うからね?」
「・・・うっ、わかってるわよぅ」
思わず呻いたジュノーに、カナンはクツクツと笑う。
「あらあら、楽しそうね」
そこにやってきたのは、創製神クマリ。
「母さん」
「お母様」
不思議そうに己を見つめる子ども達に慈愛の眼差しを向け、クマリは口を開く。
「カナン、ジュノー・・・以前、お願いした件なのだけれど」
「ああ、“イオ”の件?」
「ええ・・・私が作った世界の中で“イオ”は最も古い世界。亀裂があちこちにあって、もう、世界としての姿を留めていられない」
悲しげに告げるクマリに、ジュノーは溜息をもらす。
「じゃあ崩壊の前に、新しい世界へと機能を移動させないとマズイわね」
「・・・だからね、その役目を担う子を送りだしたいのよ」
クマリの言葉に、ジュノーとカナンは揃って首を傾げる。
「それって・・・」
「どういうコト?お母様」
「あのね、ジュノー・・・あなたも子どもを創ってみない?」
「えっ、でも・・・私は・・・」
「カナンに手伝ってもらえば大丈夫よ。カナン、創り方はわかるわね?」
「そりゃ、3人も創ったからね」
頷くカナンに、クマリは満足げに微笑む。
「なら、大丈夫ね。・・・“イオ”に引導を渡す役目を与えた子・・・やり方はあなた達に任せるわ」
「・・・姉さん、大丈夫?」
「ええ・・・平気よ」
ジュノーが頷くのを確認したカナンは、クマリに向き直る。
「じゃあ“イオ”に関してはこれから僕達に預けてもらう。移動する世界は?」
「それも、あなた達に任せる」
「・・・わかった。では新しい世界の創造の許可を」
「自由にやって良いわ」
「・・・お母様?」
完全に放任状態のクマリに首を傾げるジュノーを横目に、カナンはその意図をわずかに察して了承し、頷いた。
「(創製神の代替わり、か)・・・仰せの通りに」
そして、新たな舞台が幕を開ける。




