表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/49

光の愛娘リィア


魔術師の戦いは言わずもがな魔術による戦いとなる。魔術といっても『神界』の人間が使う呪術とは形態はだいぶ異なる。


『メーゾ』は創造主が住まう世界。つまりは直轄地といってもいい。そして、魔力の源となるのは己が加護を受けている主。


魔術の威力は、主の加護を引き出せた量で決まる。


ジュノーはある程度の信頼を暗黒魔術師に寄せているのだろう。フィラルとの相性は最悪だと思っていたがなかなか善戦している。


「ふぅん・・・じゃあ、僕も負けていられないな。部下に引き出させるのではなくて・・・押し付けたら、面白いことになるかもね」


僕は水鏡でその戦いを眺めて呟く。


体調?そんな細かいことを言ってはいられない。なぜなら、いつジュノーが参戦してもいいように待機していなければならないからだ。


「お父様、それではフィラルの身体がもちませんでしょうに」


呆れた様子で呟いたのはアリシア。


いくらこの世界にリンクしているせいで弱っているとはいえ、僕は創造主だ。その加護を押し付ければフィラルの器は壊れてしまいかねない。・・・と、アリシアは思っているのだろう。


しかし、僕はなんの対策もせずに光の魔術師の一族を創り出したワケではない。


「・・・フィラルは、ね」


「・・・お父様?」


くすりと笑う僕に、アリシアは首を傾げた。


「父さん?」


ゼノンも不思議そうに僕を見つめる。


「まぁ、この時のために準備してきたわけだから・・・こういう事態もちゃんと想定してるってことだよ」


僕は水鏡に向けて掌をかざす。そして、イメージする。僕の力が彼女に流れ込むように。


「あっ・・・」


ゼノンが思わず声をあげた。


フィラルとの戦闘に意識が向いていた暗黒魔術師も、その後ろに控えていたリィアの突然の変化に攻撃の手を緩めた。


「まさか、お父様・・・リィアにとんでもない能力を授けたのではありませんか?」


「ふふ・・・そうだねぇ・・・『メーゾ』の住人だからこそ、僕の力の器になれる要素があったんだけど・・・概ね、僕の加護のせいかな?」


そう、水鏡に映る彼女の姿は、まるで女神のごとく金色に輝いていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ