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仕方なく自動販売機で飲み物を
買おうと近くの公園に寄ってみる。
まずはベンチに座って、はぁーって一休み。
そのとき突然、
「隣いいですか?」
声がする方へ視線を向ける。
「あっ」
そこには缶コーヒーを両手に持った男性。
コンビニの制服を着た彼が立っていた。
なんで缶コーヒーを2つ持っているんだろう?
「あ、いいですよ。あの・・・バイトは?」
と言って、わたしは少しスペースを空ける。
「今から休憩だったから。これ良かったらどうぞ」
彼は、缶コーヒーをわたしの前に差し出す。
わたしはそれを受け取る。ひんやりとして気持ちがよかった。
店に入ってうろうろしてただけで喉が渇いてたの通じたんなら……彼は超能力者?
な、わけないか。
「あ、ありがと。いただきます」
乾いていたのどが潤う。
朝に飲んだコーヒーより少し甘かった。
れなの家で飲んでたときの
みんなの笑顔が浮かんでくる。
お互い何もしゃべらず、ぼーっと空を眺めながらコーヒーを飲む。何も言葉を交わさなくてもなぜか緊張感はなかった。
コーヒーがわたしの心を落ち着かせてくれている。
彼が笑いながら言う。
「これで逃げられたの、二回目だね」
あ! ふと思い出す。
そういえば、あのときも何もいわないで逃げたんだった。
「あ、あのっ。この間は、何も言わずにどっか行っちゃってごめんなさいっ。」
勢いよく彼のほうへ頭を下げる。
「・・・とりあえず、頭あげて? この間のことは気にしてないよ」
わたしは、あわてて頭を上げた。
目の前にはわたしを見つめる彼の顔。
思わず…ドキッ。
「でも・・・よかったら答え聞かせて欲しいな」
わたしの目を見て彼は問う。
そらす事なんかできない。
コーヒーの効果が切れたのか・・・
緊張して顔が火照りはじめてるのがわかる。
ドキドキッ。
鼓動が加速し始める。
このままじゃ、また逃げ出してしまう。
そのとき、れなが言ったセリフが頭に響いた。
『言わずに後悔するなら、言って後悔する方がいいよ』
れな、そうだよね、うん、わかった・・・
と自分に言い聞かせた。




