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ご飯も食べ終わり、みんなで後片付け。
れなも今日、出会ったのが不思議なくらい
みんなと楽しそうに話している。
みんな、満足げないい表情してるな。
話して、すっきりするってほんとなんだね。
じゃあ、わたしの顔はどう見えてるんだろ。
っていうか、わたしって何も見えていなかった。
ちせのこと、澪のこと、ずっと親友と思ってたのに、なぁんにも見えてなかった。
一番の仲良しって言ってる割に何も知らなかった。
自分の殻にこもって、悲劇のヒロイン気取りだっただけ。
れなにしても、ぜんぜん思ってたイメージと違ってたんだ。
わたしは結局、四人の中で一番、自己中だったのかも・・・自分を守ることだけ考えて、友達のところに逃げていたんだ。
なんか呆れて、笑っちゃうよね。
なんて感傷に浸っていたら、
「やっぱり、恋愛って人それぞれなんだねぇ」
澪がしみじみと言葉を零した。
そうだね、と心のなかで相槌。
「澪、それ何か年寄りくさいせりふだよ~」
ちせが、笑いながら寝る準備のため
手にしていた枕を澪にぶつける。
「いたっ。もーっ」
澪も枕を投げる。
もはや、恋バナどころではない。
「で、ありさは?」
こそっと、れなが尋ねてきた。
「えっ・・・?」
「彼氏っ。もしくは、好きな人」
「・・・え、えっと」
わたしは、言葉が詰まった。
れなは、何か察したのか、
「まぁ、無理には聞かないけどさ。ありさはそれでいいの?」
「・・・」
黙り込むわたし。
だけど、気にせずれなはしゃべり続ける。
「あたしは、澪やちせに聞いてもらってよかったって思ったよ。何かすっきりしちゃった」
わたしは小さく頷く。
「それに、澪の言うとおり恋愛って人それぞれで。これが正しいって決めるのは自分自身なんだなって改めて思った」
「……そ、そうだね」
わたしはそれしか言えなかった。
本当は、聞いてもらいたかったと思う。
でも、まだ整理がついてないから。
ううん、ほんとは過去と現実から逃げたいだけなんだよね。わたしのほんとの心は、今、どこにも存在していない。
「言わずに後悔するくらいなら、言って後悔した方がいいよっ。コレ、本当よ!」
不敵に笑うれなが、私には眩しく見えた。
ぼすっ
枕がわたしとれなに直撃。
「なぁに内緒話してるのかな? お二人ともっ」
ちせと澪が投げてきたようだ。
それから、修学旅行以来の枕投げ大会が始まった。
さっきまで悩んでいたこともすっかり忘れて夢中にみんなとの時間を楽しんだ。




