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話が終わると、
「…で、彼はここに座って、あそこに寝てたのよー」
って、れなが部屋を指差す。
「わーっ! …あれ、怖くなかった?」
そう最後に付け足したが、だれも驚かない。
当たり前だよね。
れなは続けて言う。
「あのあとさ、住所にあった女のとこに行ってやったの」
うわー、さすが行動派。
「で、彼氏のこと、伝えたの?」
ちせが悲しい声で訊く。
「伝えたもなにも…あたし、その女の顔をひっぱたいて帰ってきたよ!」
「えっ、それはいくら好きな人の彼女だからって、やりすぎでしょー」
ちせは、すこしあきれた口調で返す。
「だって、家に行ったら他の男がいたんだよ!! もしかしたらあの人も感づいて来たのかもしれない、だから代わりにやっただけー」
れな、そこまで好きになってたんだね。
きっと、その人はれなに感謝してるよ。
れなはさらに続けて、
「ま、いまじゃ空を見上げながら、ひとり言ばかりの永遠の片想いって感じ……でも、そのぶん、みんなと違って終わりはないからね!
実はあたしが一番ラッキーかもしれないじゃん」
と、憎まれ口のふり。
なんか、れな・・・無理してる感じみえみえだし。
だって、れなの場合、もう好きな相手どこ探してもいないんだよ。
きっと誰より、一番つらいはず。
澪がようやく口を開く。
「で、れなは、これからどうするつもり?」
「んー。とりあえず彼を探しに旅にでもでようかなって」
「旅??」
「ってのは、冗談で留学するつもりだよ。まあ、もしかしたらあの人、気まぐれだから外国にいるかもしれないしさ」
れなは笑いながら話す。
きっと、日本にいると忘れられないのかも。
忘れるために、居場所を変えようとしてるのかな。
それも、ありだよね。
「で、ありさは?」
ちせがわたしに振る。
「・・・・」
わたしが黙ってると、
「ま、ありさは男には興味ないもんねぇー」
と、ちせが勝手に話を終わらす。
澪も、れなもニコニコと頷くだけ。
わ、わたしの存在って・・・
やっぱり、単なる聞き役ってこと?
ま、いっか。
わたしのキャラって感じでさ。




