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家に到着。


「ただいまー」

と言っても、家には誰もいない。


パパは単身赴任。

ママはそれをいいことに、

別の若い男の所に不倫家出中。

血は争えないもんだね。


ま、この生活にも慣れたけどさ。


ふう、ようやくひとりになれた。

ロボット軍団から開放された。

ベッドに寝転んで天井を見ながら考える。


一人でいるとさっきのことが

やっぱり夢だと思ってしまう。

ほんとに顔が見えなくなってるの?


「あっ!」


ふと思いついてベッドを降りる。


あたしはテレビをつけてみた。


あれ?

いつも見てるドラマ。

ちゃんと出演者の顔が映ってるし。


なんで、なんで???


雑誌を見てもちゃんと顔はある。

雑誌のページをめくり確認しながら、

テレビのチャンネルを変えていく。


ふと、手が止まる。


それはニュース番組だった。

女子アナが現場から何かをレポートしていた。


その女性の顔が・・・・ない。

ふたたび、パニック、パニック。


よし、冷静に考えてみよう。

プリクラには写る、雑誌のなかも問題なし。

ドラマでも確認できた。


顔が無くなるのは・・・

実際に外にいる人物と、

あと、このニュース。


ニュースの隅には・・・・

ライブと、書いてある。

生放送か。


で、出た結論。

いま、あたしが見ているその実際の時間の

ときだけ顔が消えてしまうってこと。

・・・か?

でも、それじゃ男の顔だけ楽しみに見てきた

あたしの人生の生きがい、なくなるって。


これは明日にでも病院にいくべき?

でも、先生も信じてくれないだろうな・・・


明日から、あたしどうすればいいんだろ。

制服なんてどれもみんな同じだし、

声だけでトモダチの区別つくのかな。


そんな真剣なこと考えているのに

わたしの頭は、コクリッ。


うとうと・・・


明日になれば、これが夢だったらいいなと

あわい期待をこめながら、寝た。


朝がきた。


いつものように起きて、

顔を洗って歯磨きして

制服に着替えて家を出た。


通勤、通学の人間がせわしなく歩く。

やっぱり昨日と同じで、どれも顔なし。

顔がないせいか、足の動きだけやたら目に付く。

こうしてみると歩き方もいろいろあるんだなぁ。


バス停について、順番にならぶ。

前にはロボットの整列が数名。


待っていると急に、後ろから、


「れな、おはよっ」


女性の声がした。


振り向くと同じ制服。


「ねえ、昨日のデートどんな感じだった?

聞かせてよー」


んっと、この声は・・・・


りょうこ、だな。


「うん、楽しかったよー」


首の上あたりを見ながら笑顔を作る。


「いいなぁ、うらやましいなぁ」


いいか?

この状態を教えてやろうか、と

とっさに思ったけど、ここは冷静に・・・

ニコリ。



バスの後部席に座る。

見通しは最高。

立ってる人がいてもちょうどいい高さで、

スルーして見えてしまう。


顔が見えないときって人間

相手のどこを見たらいいんだろね。


んー、男なら胸かお尻なんだろうか?


女なら・・・・

やっぱ顔以外興味なし。


いくら脚が長くても、

がっしりした体型でも

結局、顔の付属品。


あー、これから何を求めて生きていこう?


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