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そしてそして・・・
二人の待ちに待った初デートが来たっ!
カレ好みの清楚な感じの服装。
それでいて、少し高校生にしては
大人っぽい感じに露出もしてみせてっと。
所詮、男なんだし、ドキってしてくれるはず。
元々、スタイルには自信あるんだからねー。
きっと、カレは喜んでくれるに違いない。
待ち合わせの公園に行くと、
もうカレの姿があった。
カレも同じくらい楽しみにしてた証拠。
ちょっと、照れながら節目がちに
カレに近寄る。
「ごめんなさい、待たせちゃったかな?」
なんか、あたしらしくないセリフ。
「ぜんぜん、いま、着いたとこだから」
カレは笑顔で答えてくれる。
すらりとした脚。
引き締まったウエスト。
それでいて、がっちりした上半身。
どれも、わたしの理想的な容姿。
でも、一番、好きなのは・・・
もちろん、その目鼻立ちの整った顔。
まるで、雑誌から出てきたモデルみたい。
その顔にあたしも笑顔で返そうとしたとき、
・・
・
ない
ないないないないない
カレの首から上を見る。
やっぱり、ない。
あの大好きなカレの『顔』がない。
まるで消えたように、透き通って
向こうにある景色が顔を消している。
えっ?
まだ、あたし夢のなかなの?
でも、こんな悪夢なんていらないし。
ねえ、早く目を覚まして、あたしっ。
と、下を向いたとき、
「どうかした?」
カレが肩を叩きながら言った。
カレの手の感覚あり。
これは・・・現実。
立ち上がって、カレを見る。
やっぱり、顔はない。
あたしは周りに目をやった。
すると・・・
どの人も、首から上が消えている。
透き通って、向こうの景色が見える。
カレだけじゃないんだ。
もしかして、わたしの顔まで???
あわてて、鏡を取り出して見てみる。
あ、あたしの顔はちゃんとあった。
ほっ。
カレが言う。
「鏡なんか見て、どうしたの?
今日の感じすごく可愛くていいよ。
鏡を見ないで、その可愛い顔で
こっちを見てくれない?」
彼女としてはとっても、嬉しい言葉だね。
だけど、今の状況では喜べないし。
「じゃ、行こうか」
と積極的にカレが手をつないでくる。
初めてのカレの手の感触。
ふつー、嬉しいはずだよね?
でも・・・
なんで、こんなに震えなくちゃいけないの。
それを察したのか、カレがまた優しくささやく。
「少し手が震えてるよ。
緊張してるなんてそこがまた、可愛いね」
いえいえ、違うんですけど・・・
とは、口には出せず、
あたしは、手を引かれるがままついていく。
進むにつれて人ごみになってきた。
どこを見ても、顔がない。
なんだか、ロボットが行進してるみたい。
その光景を見ているうち怖いというより、
こっけいな感じさえして震えが止まってきた。
もう、どうでもいいやって。
そこらへん能天気なんだよね。




