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猫の女王様  作者: 瑞雨
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零 死を見送る者、死する者



ねぇ、ねぇマヤ。僕を覚えてる?


ずっと君のそばにいたんだよ。

君と出逢ってから何年も僕は君のそばにいたんだよ?


君はどんどん年をとって、僕は変わらなくて、でも君はずっと僕といてくれた。


君が死んだとき僕は天に願ったんだ。君が生まれ変わったときそれが君を幸せにとするならば、君に最高の美貌と最高の知恵と最高の富と最高の権力をお与えくださいって。


君が生まれ変わったとき天は僕の願いを叶えてくれたよ。だけど、天は一番大切なことは叶えてはくれなかった。君は生まれ変わったとき僕を覚えていなかった。とても悲しくて哀しくてかなしくて。どうして君は僕を知らないの?僕だよ?來だよ?君がつけてくれた名前なのに、なのにどうして君は僕を覚えていないの?


ねぇ、僕はもうこんな馬鹿なお願いはしないと誓うよ。

僕は君が幸せならそれでいいって思ってたんだ。でも、でも君が僕を覚えていないのは耐えられないんだ。


ねぇ、僕は永遠の命なんていらないんだよ。

君と一緒に生きられない命なんていらないんだ。


君は何度も生まれ変わって僕をそばに置いてくれるけれど、僕は本当は寂しくて寂しくてたまらないんだ。


ねぇ、僕は君と生きたいんだ。

一緒に歳をとって、一緒に死にたいんだよ。

そばにいれるだけで十分だったはずなのに、僕はそれだけではもう耐えられないんだ。


お願い、僕は、僕は今度は君の恋人になりたいんだ。

君を愛しているんだよ。君がいないと僕は生きられないんだ。


ねぇ、早く産まれてきて?

僕は必ず君を見つけるよ。


だから君は、僕を見つけてほしい。

そしてお願いだから、僕を忘れないで。

僕を独りにしないで。




マヤ、僕には君しかいないんだ。


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