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【黒猫の箱庭】エッセイ集

【黒猫の箱庭】夏の味

作者: 黒猫の箱庭
掲載日:2026/08/15

匿名性がありますが、ノンフィクション・エッセイです。

夏と言えばかき氷を思い浮かべる人が多いだろうけれど私の場合、違った。

夏みかんやわたあめ、梨やリンゴの他にメロンやスイカである。

何故、そうなったのか?と言えば夏になると叔母が父と母にメロンを送って来てくれたからだ。

小学三年生の頃まで私は甘いものが好きだったのだけれど小学四年生の時、かき氷のシロップを使って飲み物を作った結果、甘過ぎて飲む事が出来ず流しに捨てた。

以降、私は甘いものに対して些か苦手意識を持つようになった。

切っ掛けとなった苺シロップのかき氷はあまり食べなくなったがブルーハワイやメロンのかき氷は相変わらず好きである。

またメロンの好みも少し変わった。

小学三年生までは夕張メロンが好きだったが今ではマスクメロンの方が好きである。

他に変わった事と言えばスイカに塩をかけずに食べたりカルメ焼きよりもわたあめを食べるなど、ばか甘いものよりも甘さが控えめなものを好む様になった事だ。

甘いものを完全に食べなくなったのではなく偶に甘いものを食べると言った程度で満足する様になったのである。

その為、夏にグレープフルーツを食べたり夏みかんを食べた時、祖母に酸っぱいのは大丈夫なのか?聞かれた事がある。

当時の私は酸っぱいものが苦手で自分からはあまり食べようとしなかった為、心配をしていたのだ。

その時の私は何故か無性に酸っぱいものが食べたかったので大丈夫だと祖母に答えた。

その後、私は夏みかんを食べ想像したのと違い甘くて美味しいと言う印象の方が強く、しばらくの間他に夏みかんはないか?聞いて困らせていた覚えがある。

丁度その時、母がやってきて夏みかんの代わりにグレープフルーツを貰い砂糖を掛けて熱心に食べていた事も今では良い思い出である。

今も変わらず酢の物が苦手な私であるが偶に酸っぱいものが無性に食べたくなる事がある。

そう言う時よく酢イカや酢ダコを思い出したりする。

小学生の頃よくコンビニに行ってよっちゃんイカを買い食べていた。

それも丁度、夏休みの時によく行くものだから母に好きだね、よっちゃんイカと言われていた。

よっちゃんイカで思い出す事は祖母の家に遊びに行った日の事である。

近くのコンビニでよっちゃんイカ3袋を買い、その内の一つが当たりだった。

私は嬉しくなり祖母に当たりを引いた事を言うとコンビニへ引き換えに行った。

その後、立て続けに引き換えた1袋が当たり私は驚くと共に内心、段々とうんざりしてきた。

祖母の家とコンビニを3回ほど往復した後最後によっちゃんイカの袋がハズレだったのを見て私は安堵した事を今でも覚えている。

その話を母にしたところ別な日に取りに行けば良かったのにねと言われ私は自分の気が早い事に気付き苦笑した。

また別な夏休みの時には池へ遊びに行きザリガニ釣りをしている人達を尻目に近くの駄菓子屋へ行きカニパンを買い池を眺めていた事もある。

夏に入る少し前の時に父と母が祖母と一緒に梅酒を漬けているところを見た事もある。

今の私は梅酒を漬けるのにヘタを取る作業を手伝っている。

夏休みになると、よく夏バテをしない様に母がカレーを作ってくれた。

冷やし中華が苦手な私は夏になるとラーメンや焼きそばカレーなどを食べていた。

現在の私は冷やし中華も食べる様になったので母は食べれるものが増えて良かったねと言う様になった。

確かに今の私は小学や中学の時と比べ食べられる様になったものが多いとは言え今でも食べられないものがなくもないがそして夏休みと言えば映画に関する思い出もある。

サクマドロップと言う飴の缶を私が見ると必ず火垂るの墓と言う映画を思い出す。そのサクマドロップの缶が製造を中止になると聞いて私の心に複雑な思いが過った。

戦争と言う言葉を思い出す、それを今後は見なくなると言う気持ちと小学生の時から慣れ親しんだ懐かしい味のする飴がなくなると言う事。

時の流れを感じると共に寂しいと言う気持ちが私の中に残った。

戦争を経験した事がないものに戦争の話をする権利はないと言われた事が私にはあるが戦争と言う恐ろしい存在が持つ人々への恐怖と爪痕を忘れても良いと言う事ではないと私は思っている。

むしろ戦争を知らない世代である私は戦争について知るべきなのではないか?とすら思っている。

その切っ掛けとなった映画が火垂るの墓なのである。

当時、小学生であった私はその映画を見て、とても不愉快な気持ちになった。

日本が戦争に負けたからではない。

何故、戦争を行ったのか?と言う不満を持っていたのである。

たとえ、どのような理由があったとしても本当にそれで良かったのか?と聞かれれば違うような気が私にはしたからだ。

これは理屈ではなく私の感覚の問題かも知れないが毎年毎年、夏が近づき、そして終わろうとする頃、火垂る墓と言う名前の映画を見ると、そう思うのだ。


家の光の公募に投稿し損ねたエッセイ供養。

※筆者本人(黒猫の箱庭)の許可を得て投稿してます(pixivにも)。


https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=28869127

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