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第23話 羅都は稀覯書ハンターとして活動を始めたのだ。

 羅都は稀覯書ハンターとして活動を始めたのだ。


 羅都の資金源は羅都に読み書きを教えてくれた神父だった。神父は羅都には名乗らなかったので本当の名前は知らない。ただ別の者が神父を『ナイ神父』と呼んでいたのを聞いたことが有ったので、そんな名前なのだろうと漠然と思っていた。


 神父は羅都にたまに稀覯書を探すよう依頼して来て、見つければ報酬をくれた。それは羅都が普通に暮らしていれば十分すぎる金額だった。


 神父の依頼が無いと他の依頼も受けた。実はこっちの方が金になった。どっちも翻訳や解読して渡すので羅都の仕事は業界ではとてもひょうかされていた。


 そんなある日、知り合いの日本人から依頼が舞い込んだ。「ネクロノミコン」若しくは「無名祭祀書」を手に入れて欲しい、そしてそれを日本語に翻訳して欲しい、というものだった。


「金に糸目は付けない」


 仲介者である京極と言う日本人はそう言った。ただし同じことを言う依頼は多い。

 

 実際の所、見つけても持ち主が安い金額では手放さないことが殆どなのだ。


 そこで非合法な手段に出ることも多かった。羅都は神父に鍛えられて荒事にも長けているのだ。


「見つけたぞ」


 仲介者に連絡をするとすぐに返事が来た。


「解読の方はどうだ?」


「それなんだが、俺が日本に付いて行ったら駄目か?」


「お前が?そうか、確か元々日本人だったな。故郷にでも帰りたいのか?」


「いや、私はこっちで生まれたから日本には故郷は無い。両親もことも知らないしな」


「そうなのか。まあお前が来てくれるのなら心強いのは間違いないが」


「では、俺も行くとしよう」


「私は先に帰るが手に入れたら直ぐに追いかけて来てくれ」


「それなんだか、本は手に入れる。但し俺は持って行けない」


「どういう意味だ?」


「本と一緒の船では行けない、という意味だ」


「なぜなんだ、途中で無くなってしまったらどうするんだ?」


「その危険よりも私が一緒に船に乗る危険の方が大きい、ということだよ」

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