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Lost19 二人の魔王  作者: JHST
第七章 共闘
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⑤既に少数精鋭

「アモン、お前………」

 シドリーが目を大きくさせ、彼の言動に驚いていた。今まで頑なに人間が魔王を演じる事を否定してきた男が、それを認めるような口ぶりを見せる。77柱の幹部達が、アモンの顔をシドリーと同じ表情で視線を向けていた。


 その視線にアモンは顔を逸らし、指で鼻を擦る音を立てる。

「馬鹿言ってんじゃねぇ。ここまで来たからには仕方がねぇだろう? おぃオセ、テメェは笑うな」

 部屋の空気が変わっていく。

 結局、アモンの一声が決断の一石となった。


 最後まで硬い表情をしていたシドリーも、彼の言葉に小さくそして何度も頷く。

「………やるか。他に方法がないようだしな」

 他の幹部達も覚悟を決めて一度だけ、しかし力強く頷いた。

 シドリーが確認を取るようにタイサに視線を向ける。

「人選はどうする?」

 洞窟に向けて移動し、奥の集落へと続く秘密の通路に向かうには、タイサの記憶だけが頼りになる。しかし、タイサが魔王として敵陣に突撃する以上、その記憶をタイサ以外の人間に伝える必要があった。かと言って、集落にいる銀龍騎士団に説明し、説得する事を考えると、騎士経験のないカエデでは荷が重すぎる。


 タイサはふと隣のエコーの顔を見る。

 彼女は顔を横に向けたままタイサの顔を凝視していた。その眼は鋭く、だがどこか暖かいものを感じさせる。恐らく彼女を指名しても、どんな理由を口にしても、エコーは首を縦には振らないだろう。タイサにはそれが分かっていた。

 ならばと次にボーマに嫌々視線を向けるが、案の定、彼は重たい頬を吊り上げ、太い腕を無理矢理組んでいる。

 困った顔になっていたのか、ボーマはタイサの顔を見ながら、今にも折れそうな椅子を漕ぎながら重そうな手を挙げた。

「隊長、ここは諦めましょうや。少数精鋭っていったら、俺達は全員精鋭ですぜ」

「空からの援護も必要でしょ? 兄貴が魔王でも、危なっかしいのは変わらないんだから、目を離す訳にはいかないよ」

 ボーマとカエデの子どもじみた悪い笑みに、エコーは口に手を当てて小さく笑い出した。

「エコーまで………まったく、お前らも物好きが過ぎるぞ」

 タイサは額に手を当てる。

 結局、撤退組の魔物達は洞窟の奥で待機。敵陣から生還した誰かが、集落に導く事となった。

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