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僕は天使になりました。

皆さん、初めまして。名を偽って初投稿させていただきます。

「神様は『トラック』以外に異世界転生用の死亡要素を持っていらっしゃらないのですか?」


「いきなり失礼だね君」


 僕の目の前にいる白髪のおじいちゃんみたいな人は、俗に言う神様である。

 何故こんな状況になっているかと言うと、早い話、僕が死んだからだ。

 生前は神様も信じていなかったし、異世界転生なんてものはただのオタクの妄想だと切り捨てていた僕は、死亡して初めて見る光景が真っ白で立方体な部屋と白髪の人物で驚いたものだ。

 まあその時は死んだ実感も薄かったし、なにより頭にもやがかかったような感覚があり、思考しにくかったせいか慌てることもなく、ただ漠然と


『あ、夢か』


 と思っていた。

 本当に死んだとわかった時はとても取り乱したのだけれど、別に思い返す必要は無いだろう。……死んでからも黒歴史が作られるのはさすがに予想外だった。


 それはおいといて。


 神様の手違いで死んだらしい僕は、ご多分にもれず、転生者になる権利を得た。やはり特典付きで。ホントに超お得セットですね、失血死大サービスと言っても過言ではない。

 別にそのまま異世界転生してチートハーレムを作るというのも楽しそうではあったが、僕は断った。だってそんなの、ありきたりではないか。

 大体僕は異世界転生ものによくある金髪タレ目の薄着タレ巨乳には興味が無いのだ。嘘だ少しはある。しかし僕のマイフェイバリットパーツは足なのだ。乳よりも顔よりも足が好きなんだ僕は。足裏の筋肉と踵の三点、それを繋いだ三角形など芸術的にも程がある。思わず迷い込みたくなることから僕はその三角形を不遜ながら『バミューダトライアングル』と呼ばせて頂いている。勝手に迷い込んで抜け出せなくなってしまうという意味も込められている。

 それに僕は気になったのだ。僕の他に、転生する権利を持った人がどうするのか。転生した後の世界で何を成し、何を壊すのか。

 だから僕は聞いてみた。


「ここに居たいです」


 と。

 神様は少し驚いて、考え込み、


「…………分かった。じゃあ、君は今から『天使』として生きてもらうよ」


 少し困ったような顔でそういった。


 それ以来僕はこの天界で暮らしている。たまに、というには多すぎる来訪者の相手をしながら、時間の流れが曖昧なここでのんびりと過ごしている。

 ……さて、今日も来たみたいだ。


「…………あれ!?どこだここ!?」


「……ようこそ天界へ。僕は……うん」


 僕は、天使です。

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