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プロローグ
初めての作品です。至らぬ点も多々御座いますが読んで頂けると幸いです。コメントお待ちしてます!
その悪魔は限界であっても生きる事だけは諦めなかった。
王国騎士団の罠にハマり、瀕死の傷を負い、いつ死んでもおかしくないような状況の中でさえも諦めなかった。
それは彼女に強い使命感があったからだと言える。
それでも夜雨の中、騎士団の追撃は止む事無く襲い掛かって来る。
「森の中に逃げ込む気だ。早く悪魔を殺れ」
弱り切った獲物を中々仕留めきれずイラついた声が届いてくる。
恐怖に支配されそうな心を必死に抑えながら彼女は森の中を走った。
しかし、後ろから聞こえて来る馬蹄の音は次第に大きくなり、とうとう追いつかれてしまった。
そして、振り上げられた剣に映ったボロボロの自分を見て悟った。
――――私はここで終わるのですね。




