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死神 パラドックス  作者: 萌月 怜
第2話「死神の仲間になりました!!」
16/18

1.「鳩とカラス」

「まずはこいつの家から始めましょう。」

「よっし、体探し!!始まるぞっーー!!」

どこかで聞いた言葉だね。

「おい、桜井!テメーんちはどこだ?」

「、、僕は、、、」

「先に立てろ。ぜってー逃げようと思うなよ。ぶっ殺してやるからなーー」

特有の鋭い眼差しで桜井を脅かしているんだ。

「ひっーーー」

「やめろ。恭弥!!桜井さん怖がってるんだよ。」

「はあ???つーか勝手に呼び捨てーんじゃねー!」

「だったらどう呼べばいいんだよ。見た目は同じ高校生なのに、、」

「うっ、、」

「ほら、すぐに言えないんだろーー」

恭弥の瞳が震えているんだ。やはり死神の恭弥も、、

「テメーらなに言ってーんだ。俺はな183セン、歳なんだぜ。」

「え?うそーー嘘だよな??」

「本当だよ。ちなみに僕は173歳だぞ。」

「まじでーー?」

(そうか、、やはり死神は人間と違うんだよな。)


「はあ?おい滝沢!テメーは168せ、歳だろーー!!!」

「っ何を言うんですか先輩。僕は今年で173せ、歳になりましたよ。」

「それうそだな!!」

「本当の事ですよ!!ほら見てください!!!」

滝沢はなぜかかかとをそっと上げているのだ。

「おい、テメーらこいつ見ろ。こいつのどこが173に見えるのか?あん??このチビのどこがだよー」

手のひらで滝沢の頭をトントンと叩いている。

「あっ、いた、、痛いですよーー」

「さあ、、あは、、あはは、、、」

隼人は困っているのだ。

(お前もそうは見えないけど、、っていうか‛せ、歳’はなんだ。

 なんか二人とも、、可笑しいんだけど、、、)


「な、滝沢!うそだよなーー」

「いえ。本当ですよー

 っていうか、もうチビ扱いしないでくださいよ先輩!

 僕よりちーーょっーぴり高いだけのくせに、、」


「あ、それより・・」

恭弥はいきなり桜井の方へ向かった。それに桜井の胸倉を取ってこづきまわしてる。

「早く言え!どこだ!!!俺様は時間ねーんだよ。」

「ちなみにこらえ性もないでしょうね。」

激しく振り回されて桜井の魂が薄くなってくる。

「やめてよ。このままじゃ魂が消えちまうよ! 

 お前はマジ死神なの?桜井さんに無理矢理なにしてるんだよ!」

「ん?体探し!」

「もっと優しくしてよ。」

「あ?あっそうーだな。死神って正義を、、、なわけねーだろーがー!」


「隼人は死神のこと勘違いしてるんだよね。

 先輩。僕に説明させてください、、 えと、、この前にも言ったけどさ、」

滝沢はふところから黒い眼鏡を出して掛けた。

「メガネ?」

「ふっ、メガネ掛けると頭脳明晰に見えるんだなんてな、、バカバカしいー」

「だって先輩と一緒なら僕も同じくバカ扱いされるんですよーー」

「なにーーーっ」


「隼人!お前が思う死神はどんなイメージなの?」

隼人は滝沢の話に死神のイメージを思い浮かべてみる。

「あ、うむ、、だから、、死と関係あるので怖いけど、、それは仕事だから、、

 休みなしで一所懸命働く真面目な公務員?

 えと、、テレビを見ると正義感が強くて世界を悪から守る存在?」

「ったく、、、言っとくけどな、僕ら死神はあんな存在じゃねーんだよ。

 正義?そんなのと全然関係ねー。この世の人間には死だけ気にしねーんだよ。

 世界が滅ぼされるだろーがどうだろーが気にしねーんだ。

 この世から死と死に従う異変を感じた時にだけ関与しねー。

 死神はただ時期になったら死者をあの世に連れてくだけだ。」

「そう、、か、、、、」


「ほとんど先輩の言う通りだよ。

 死神って2部類があるんだ。死者をこの世からあの世まで連れてく連中と

 自然の摂理を逆らって異変を起こす者達を裁き

 乱れた秩序を正す連中がいる、、ちなみに僕らは後者の死神だよ。」

「そうか。」

「呼び方も違うよ。前者の死神はくそ死神!!」

「なに?」

「僕らはウルトラキャプテン死神!!と言うんだ!」

「まじでーーー???」 

パシッ

「いたたたたたーー痛いですよ先輩!」

滝沢は恭弥に叩きられた頭を埋めて座っている。

「うそつくんじゃねーよ!!時間ねーから早く説明しろ!」

「分かりました、、話は続けて、、あの連中は白神で僕らは黒神。」

「ださい!!!」

「っ、、通称ハトとカラスと呼んでる。

 死を届けるハト、そこから派生する厄介な後始末をするカラス、、なんてね。」


「そうかーお前も大変だよな。」

「普通ハトはやわで気の強い死者に言葉や行動で脅かされるとびびって逃げる奴もいる。」

「なんか思ったこととは違うイメージだな。」 

「それに死者が泣き泣きすがり付き切に哀願する者がいると見逃してあげる時もある。」

「あ、お前と違って優しい死神だな、、」

(ハトはなんかいい死神かも。)

「うむ、、そう思われるかもね、、しかしこんなことで勘違いしちゃ困るよ。

 一応、命の止めを刺すのはあの連中だからね。

 あの連中はね、口車が上手い奴らで甘い言葉で囁きあの世に連れてくだけだよ。

 それに意地悪いやつもいてさーまだ時期もないのに数日の前からわざと現れて病者を脅かしたり

 泣かせたり怖がらせたりするんだよ。

 浅ましくて卑劣で獰悪幹事して邪悪な連中達だよ。」

(滝沢、、なんか気が立っているようだな。)

「何だと???っていうかお前、ハトになんか恨みあるようじゃん。」

「っ、、」

滝沢はビックとしたのだ。

「図星か。絶対恨みあるんだよなーー」

「・・ち、違う、、!」

なにかあるみたいだけどーーー


「あるある、、あるぜーククッ」

「え?まじで??」

これから興味津津たる話になりそうだ。隼人は期待に富めた顔をしている。


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