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死神 パラドックス  作者: 萌月 怜
第1話「どう見てもヤンキーですけど!!!!」
15/18

15.「俺は役に立つ男だよっ!!」

そして清二たちはこの場から立ち去った。


「うわっ、消えた。あの人たちいきなり消えた~」

「あの世に戻っただけだよ。」

「そうかーー凄いなー」


・・・・・

清二達は現世とあの世の境界線に到着した。

「着きました。もう大丈夫です。歩けますか?」

少し前までピンピンしていた清二は何故か気力がなさそうだ。

どろんとした焦点の定まらない目でぼんやり立っていた。

片手で自分の腹を掴んでいた。

「森、、川、、」

タッタッ、タタッ

脇差を抜かれた清二の腹はまた傷口が開かれてそこから血を流していた。

「、、、ぐっ、、ゴホッ」

清二は上体を蹲って血を吐いた。

森川は倒れかかる清二を抱き取った。

「清二様!!!」

「ケホケホっ・・っケホケホ、、、ゴホッっ」

清二は苦しげに激しい咳をした後、気を失ってしまった。

清二はまだ内傷を受けていたのだ。恭弥達が気づかないうちに完全に治ったぶりをしていたのだ。

「早く清二様を運べ!」

「はい!!」

(清二様、、なんでそこまで・・)


・・・・・・・


残された4人は一堂に集まっている。

「ふむ、、」

「・・・」

「・・・・・・」

お互い気色をさぐっているのだ。

「あーーーーこいつら何なんだよ。」

隼人と桜井をぐるっと見回した。

「そうですねーー」

じろりと見ていたのだ。

「一旦、預かれた任務を果たさなければならないんですね。」

一斉に桜井学を見ているのだ。

「こいつなーーー」

桜井学は死神二人の顔色を窺っていると思ったら

たちまち逃げようとした。逃げるとたん襟首を掴まれてしまった。

「おっとーーーいけねーな。」

「ヒィィィッ、、は、放して!!」

「まずはこいつを元に戻そうか。」

「はい、先輩!」

「さって、こいつの霊はこち、、肉はどこだ。」


「あ、まずは桜井さんちに行ってみた方がいいんじゃない?」

隼人は恭弥達の対話に口を挟んだ。

「はあ?お前はひっこんでろ!!! 」

「ひっ、、た、ただ手伝ってあげたいだけだよ。」

「いらねーテメーの助けなんか。邪魔だ。さっさと帰れ!!」

「うっ」


カーカー

ぱたっぱたっ

「あっ」

その時どこから黒いカラスが飛んできて滝沢のほうに来た。

滝沢は腕を伸ばした。あのカラスは待ってたとように滝沢の手に舞降りた。

滝沢はそのカラスの目をじっと見つめた。


(カラス?飼っているのかな、、、あっ、カラスの目がいきなり赤くなった。)

「はい。滝沢です。」

(誰に話すんだよ。)

しばらく間カラスの赤い目を見つめた後

「はいーーーーーー??」

滝沢が大声を出した。

「、、しかし、っ、、はあ、、、分かりました。」

何かに首肯したように答えた。

そして目色が元に戻ったカラスが滝沢の手から立ち去った。


「何だ、滝沢!」

「はあーーーーーそれがですね、、、」

滝沢は隼人の上下をじろっと見る。

「ふむーーー」

「な、なんだよ。」

隼人は自分をあんな目でじろじろ見てる滝沢に気持ちが悪くなった。

「先輩、、案外こいつ役に立つかも知れませんよ。」

「はあ?何でだ!!」


「先輩ちょっとこちこち、、」

「ん?なんだ。」

二人だけ聞こえるようにひそひそと話している。

「一応この町に詳しいし、、、何よりも僕たちには拠点が必要ですよ。」

「拠点?何故だ!?」

「今、あの森川さんからの伝言があったんですよ。」

「あ、あれか・・」

「はい。この任務、思ったより長くなりそうです。しばらく間、あの世には戻れません。」

「なんだと?」


滝沢は目引き袖引いた。

「あいつの状態を見てくださいよ。人好しでちょっとバカげたく見えませんかぁ?」

恭弥は隼人を見つめた。

隼人は恭弥に笑顔しながら手を振っていた。

「うむ、、、確かに、、、」

「適当に利用して捨てればいいんですよー。」

「なるほどー」

「だから任務を果たすまであいつに寄生すればいいんですよ。」

「そうだよなーーでも、、あいつがそこまでやってくれると思うか?」

「あいつは死神!!つまり僕達に興味あるしーなんとかできそうです。バカだから・・」

「ああ、分かった!!」


恭弥が言い始めた。

「あ、、、そうだよな。テメーも仲間にい入れてやる!!」

「ええっ????本当???」

「ただし条件がある。」

「条件?」

「ああ、」

「その条件ってなに?」

「俺たちはここで特殊任務をする。その間ばれじゃいけないんだから

 テ、お前んちできせい、、いやいや宿る!!」

「なに?それは、、、」

(ちっ、やっぱだめか、、話でだめだとしたら、、、あれしかねー。)

「うん。大丈夫だと思うよ。俺、母と2人で住んでいるから

 家に残る部屋もあるし、、どうせホームスティ募集しようと思った。」

「そうか??」

「うん、母が海外の出張が多くてな、ホームステイしたら

 俺が死んだかどうかすぐに分かれるんだと、、アハハ・・」

「なに???テ、テメーのお母さん、クールだな、、」

「そうかーアッハハハ」

「さあ、この件はお決まりですしあの桜井の件を始末しましょう。」

「よっーし!!」


こうやって隼人は死神達の仲間になったのだ。

(っていうか最近、ナレーターさんなんか静かになったような・・)


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