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死神 パラドックス  作者: 萌月 怜
第1話「どう見てもヤンキーですけど!!!!」
13/18

13。「あの人大丈夫なのかよっ!!」


(あの人、目が…目が黒い・・・)

スーーーッ 

清二はわき腹に帯びた刀を抜けた。


「刀を抜けた!!攻撃か???まさかあの刀で恭弥を切るつもりかよーーー」

 滝沢が注意深く動き始めた。

 滝沢の顔には汗だらけだったのだ。

「滝沢??」

「防具の結界!5段階解除っ!!」

 防具の段階を上げたのだ。

 滝沢の手が震えてるんだ。よっぽど危険な状態に間違いないのだ。

(滝沢が怯えてる。)

 滝沢は歯をくいしばった。そして自分の刀に手を当てた。

(戦う気??なぜだ。あの人は見方だと言ったじゃないか。)

 かたずを飲んで鷹司清二を眺めているのだ。

(あれなんだ。黒いのがあの人の体を覆っている。あれはあの人の中から出てる。)

 あの黒いものは邪気た。


 やっと清二は形を正して自分の左手の示指を噛んだ。

 指から出てる血を右の手に取っている刀の刃に当てた。

「ここに眠っているものよ。そなたに血の契約を命じる。」

 清二の額にある文字ができた。

「うっ」

 瞬間、その刀の刃には訳の分からない文字が刻まれた。

 そして清二はその血を鋭い刀の刃を沿って刃の先まで付け始めた。

 その血がつくうちに刃が光っていった。全ての刃を閃かした瞬間、


「っ出でよ!鬼丸!!」

 清二は地面に刀を強く突き立てた。

 瞬間、地面には結界の陣が現れた。

 結界陣から明るい光が清二の体を照らした。

 清二を包んだ邪気が一瞬、たじろいでいた。

「くっ!」

清二はひざまずく。

スッ

 そして脇差を抜けた。

 彼の目は鋭い。特有の優しさはどこにも見えない。

 脇差にも刀と同じく訳の分からない文字が刻んでいた。

 その脇差の文字は刀からでる光と公明し同じく光っていた。

 脇差を一回りさせてなんのためらうことなく自分の腹を突き刺した。

ずぷっ

「っ、、」

 清二は血を吐き出す。

「ッ、がはっ,,」

(自分の腹を・・何するんだよあの人は、、)

「何とかしないと、、おい、滝沢!何してるんだ。何とかしてよ!!あの人死ぬ!!!」

「くーー」

 滝沢はその場で固まっていた。

 自分を防ぎながらあの恐ろしい鷹司清二を注視していた。一触即発の状態だ。


 それから清二の体からじわじわ出てる黒い邪気が清二の体の中へもどった。

 そして結んだ結界の陣は消してしまった。

 清二は体がぐらついてへなへなとくずおれてしまった。

 顔に血の気がない。

「ぐっ、、、ごほんごほっごほっ」

 口を抑えて咳をした清二の手には赤い血が鮮やかに見えた。

 清二は血を吐い続けている。

「清二!!!」

 恭弥は清二を支えた。しかし清二はその手を振り切った。

「そんなの、、ッいら、、ないよ。下がって、、て・・ゲホゲホ」

(汚い血が恭弥についちゃだめだよ。)

「清二・・お前まだ・・」

「っ、、、ごほんごほっごほっ」


 滝沢は息を大きく吐いた。

「はあーーーーー助かった。」

 共に防具の結界も解けた。

「あの人は、、清二さんはどうなるんだ?」

「大丈夫だよ。多分!」

「ええっ?多分??」


 清二は苦しみながらついに気を失ってしまった。

「清二!!清二!!!しっかりしろ!!」

「っん、、」

やっと気が付いたようだが力のなく倒れている清二の腹からは

ずっと血をながされている。

「はあ、、はあ・・はあ・・ねぇ恭弥ーあまり揺すらないでー頭痛い、、」


(ッ、腹じゃなくて?)


「清二・・」


「はあ~ここですか清二様!」

 突然、男4人が現れた。

 清二は焦点を失った目であの人を見つめた。

「、、よう、森、、川・・」

「ようじゃないでしょ。ようじゃーいったいなんなんですかこの様は。」

「さ、あ、、ごほんごほん・・」

「恭弥君、ここは私に任せて。」

「あ、うん。」

 森川は清二の上体を引き起こした。

 清二は森川の肩を掴んだ。

「っ、、」

「さあ、抜きますよ。」

「頼む、、っ、ケホ」

 それから森川は鷹司清二の腹に差し込んでいる脇差を早めに抜けた。

「うっ!!っごほっ・・っ」

 刀を抜かれた清二は力なく気を失ってしまった。

 脇差を抜けた腹から血が流れてる。

百目木どうめき早く手当てを!」

「はい!」


 清二の体を横たえて百目木は自分の手を傷口に当てた。

「滝沢、あれはなんだ?」

「あれは回復術だ。」

「でもあんな傷じゃ・・」

「もう心配しなくていいよ。死神は人間とは違って早く治れるんだ。

 それに回復術を行うとその効果は倍になる。」

「そうかーよかったーーあの人死ぬかと思った。」


 苦しんでる清二は少しずつ安定させてきた。

「まだ回復できてなかったのに無茶するんだなこの人は、、、」

「森川テメー!!」

 恭弥は森川の胸倉をつかんだ。

「うっ、何するのかなー」

「まだ治ってんじゃねーのかよ。なぜ止まなかった。またどっかでさぼったんだろーな!」

「なーに。私ってそんなイメージですか?」

「とぼけるなっ!!!」

「そもそも私達が清二様を止めれると思うのか?」

「うっ・・」


森川達にいったい何があったのかーー

 

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