11。「可愛いヒヨコちゃんは辛いんだよっ!」
ぶすっ
「くえぇぇぇっ!!!」
誰から桜井のマチョマンの鳩尾に一撃を加えた。
「なにもの???」
「誰か分からないけど俺たちの救世主だーーー」
喜びすぎてる隼人青少年!隼人青少年----!!
ただ久しぶりに2回呼んでみただけなのだ。
一撃で倒れた桜井のマチョマンは
まだ彼の腕の中に身を任せている。
桜井のマチョマンはすぐに桜井学の姿に戻った。
そして一撃を加えたあの救世主は顔を上げて頭ヤンキー死神達をみた。
彼の目色は冷たかった。
(うわーー目が冷たすぎるんだよな。助けてくれたのはありがとうけど
この人はこの人なりに危ないかもーー)
「クアッ、テメー」
こっちのヤンキー死神もあの男を相当な気勢で荒くにらんでいた。
そして物々しい警戒態勢を整えた。
その相当な緊張感が隼人にも伝われた。
そうだ。ヤンキー達はあれに全然手を出せなかった
あの桜井のマチョマンを一撃で倒した男だ。
あの男が味方ならば助かるけどもしも敵ならば
ものすごい手ごわい相手に違わない。
隼人は息を殺して二人の顔色を窺っていた。緊張の続きだ。
ついに彼が動き始めた。
「あっ、動いた。」
そして彼はゆっくり手を伸ばした。
(攻撃開始か・・)
隼人は固ずを呑んだ。
「あれーー??恭弥じゃん~」
彼は懐かしく手を振った。
(え?恭弥??)
隼人は頭ヤンキー死神の方に頭を向けた。
(このヤンキーの名前だったかぁぁぁ)
そして捕まっていた桜井学を横側に捨てた。
「はあ?捨てた。あの人あっさりと捨てたーー」
「あっ、いた・痛い!!」
地面に叩きつけられた衝撃のお陰で桜井学の気が付いようだ。
「恭弥ーーーーー、お久しぶりーーナハハー」
「うっ、、」
「あっははははーー」
「テメー来るな。来るなっ!!!」
懐かしく近づいてくる彼とは違って恭弥はまっぴらな顔をしていた。
彼は両手を伸ばして抱きしめようとしているのだ。
だが恭弥はあちこちよく避けている。
「酷いね・・」
いきなり彼の態度が変わった。
ドフッ
「くあぁぁぁぁっ!!ゲホゲホ、、」
彼は恭弥の鳩尾に拳をねじ込ませたのだ。
「あまり避けるなよ。僕、傷つくんだよーー。まあ、それはそれなりに可愛いけどね。」
「く、、、テ・・メー、、、」
恭弥はうつ伏せに倒れたまま痛む腹を抱えていた。
「いきなりなんだよ。やっぱ敵かーー」
隼人はまた不安の中だ。
「え?はあぁぁぁっ??あの人あの人だ!!!」
気を付けた桜井学が叫んだ。
「桜井さん、あの人って誰の事ですか。」
「あのたか、たか、、たかとやら・・」
「鷹司だろ?」
滝沢は何か知ってるように言った。
「そう、そうだよ。鷹司!!!」
「はあ、、、あの人なら大丈夫だ。」
「そうかー。味方なのかーー」
「そうだよ。」
「ふゅー・・一安心!!」
隼人と桜井は安堵の息をついた。
気を緩めた隼人は膝の力が抜けてへなへなとくずおれた。
そして恭弥とあの鷹司っていう男を見つめた。
「恭弥~恭弥~~ここにいたのー??見なかった間に大きくなったねー」
鷹司は頭ヤンキー死神!つまり恭弥に頬擦りしていた。
恭弥のことを相当に可愛がっているようだ。
しかし鷹司はいきなり恭弥にヘッドロックをかけた。
「うわっ!!」
「金髪?恭弥ーこのヘアスタイルは何だい?」
鷹司は恭弥の金髪の高くそびえてるヘアスタイルをぐしゃぐしゃしていた。
「ヤンキーみたいじゃないー」
「っ清二テメーやめろ!!ヘアスタイルはこの俺様の命だっ!!!」
ぐしゃぐしゃ
「はい!今死亡しましたーー!!」
「くそーーー」
そして鷹司は恭弥の耳のピアスをぐっと引っ張った。
「へえ~~このピアスはなんだー強がりか?」
「いてーーーー引っ張るなーー」
「お兄さんはこんなの大っ嫌いだと言ったでしょう。」
「誰がお兄さんだよ。あぁぁっ」
「あの時・・僕が決めた。」
「俺は認めない!!」
「へえ??そうなんだ~・・お兄さんすーごく傷ついたよ。ッ」
「うわぁぁぁーーいててーーー」
恭弥の悲鳴に構わずに耳をもっと強く引っ張っていた。
「っていうか人の前でこんなことするなって言ったんだろうが。」
「いやだーこんなに可愛いのに止められるわけないだろ?」
「もうやめろってまじみっともねーんだよ。」
恭弥のは清二にだけ聞こえるくらいに小さくつぶやいた。
「ふふっ、可愛いなぁー」
恭弥は清二の両腕を掴んだ。そして力を強くいれて
清二からうまく逃れるように強く暴れていた。
「へえ~?あまり暴れるなって!ッ反抗期かなー!?」
「っ反抗期は・・うぅっ、すでに済みましたっ!!!
っていうか放せよ。マジ苦しいんだよ。」
「あまり抵抗しないで。そうするとー殺したくなる・・」
(なに?今聞き間違えた?)
「あのさ、、」
「ん?」
「あの二人さ、、まじで仲間なのか?っていうか超いじめてるけど???」
「あーあれは、、」
ぽきん
「うっ・・」
「え?うわぁぁぁっおぉぉお折れた!腕折れた~~~」
「あ・・しまった!」
隼人達はあの二人をじっと見つめていた。
「やはりあれいじめだよね。」
「いや、違う。清二様は先輩のことをめちゃ可愛がっているんだ。」
「どこがだよーー!!!」
(だったらあの人ドSかぁぁぁ--)
「うむ、、、子供の頃こんな経験ないのか?」
「どんな?」
「学校から帰り道にかわいいひよこちゃんが見えた。
一人息子の子供は弟が欲しかった。で、その可愛いぴよこちゃんを弟にした。」
「さすがに子供のごろにはあり得ることだよな。」
「ぴよこちゃんは可愛いんだろう。
この子は自分の弟ぴよこちゃんは可愛すぎてたまらなかった。
遊びたい。触りたい。大切にしたい。
子供は可愛いぴよこちゃんをぎゅっと抱きしめた。いつもいつも・・
しかしぴよこちゃんは少しずつ病んで死んでしまった!」
「なんで????」
「力加減失敗だ!」
「なんだとぉぉーーーーーー!」
(バカだ、あの人バカだ~~ぼけあほ)
「昔から可愛い先輩は可愛がられすぎて清二様から骨のいくつが折られたよ。」
「なに???可愛いんだと??あれがーーーー」
驚くのはそっちかよ隼人少年!!