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夢兄妹の寝物語 第1話に登場した夢 2003年1月の頭令倶雫の夢

作者: 鈴井玖足

 真っ先に朝の教室に登校した。なぜかと言うと、今日は俺が教室の音楽当番だからだ。

 教室のレコード、カセット、CD、MDコンポプレイヤーにMDを差し込むと、好きなアニメのプリンセス・チュチュの上品なオープニング曲が教室のスピーカーから流れ始めた。

 早く起きたせいもあり、教室に他のクラスメイトが来るのを待ちながら、自分の席で腕枕を組んで目を閉じて歌を聞いていた。そうしているうちに登校してきたものの話声が聞こえてきた。だが、少しおかしい。

(やばい。 シングルの方を持ってきちまった。 これじゃあ延々4曲しかかからねえ)

 そう音楽当番としての失敗に気づいたところ、

「今日は先生が遅いねえ」

「では 当番に何か話してもらおう」

 と、クラスメイトに話を振られたので、仕方なく黒板の前の教卓に立った。



「えっと・・・今日は何の日でしょうか?・・・何の日だっけ・・・。

 えっとー、あれあれ ほら 18日が初観音だから えーと えーーーと」

「あー、家に帰ったらわかるのに」

「あ、そうそう。ぼく島本和彦の超熱血カレンダーを買ったんだけど・・・」

 と、その日の話から萬画家の話に持って行ったんだがクラスメイトはシーンと静まって呆けていた。

「どうでもいいよね こんな話」

 教室の真ん前で自分の話題の無さに凹んでいたら、ふとスピーカーから違う曲が流れてきたのに気付いた。誰かがチャイコフスキーのCDに変えてくれたんだ。



それから3年後



 俺はベージュのハンチングと同じような色のコートをまとって冬の朝、自宅の周りをうろうろしていた。そうすると、向こうからカラフルなマフラーを色々と付けた男子高校生の一団が来るのが見えた。彼らはこれから受験会場に向かうのだ。はねられないようにしなければいけないので、俺はそれを避けた。

 男子高校生から逃げて角を曲がると、今度はオレンジに紅いチェックのマフラーを巻いた、メガネで黒髪おかっぱで黒いダッフルコートを来た女子高生を見つけた。彼女の後ろを歩く形になって、途中までは行き先が一緒のようだった。



 ちら、

 と、俺の方を横眼だけ振り返ると女子高生はおもむろに角を右折した。あっおいおい、そっちは山だぞ。学校はないぞ。

 


 ちがうか。次の角で曲がり直して学校への通路に戻るつもりなんだろう。よーするにおれの前が嫌だと。


 なら、俺は振り向いて逆方向に去る。受験がんばれよ!

人の夢の話ほどつまらないものはないと思うんだよね

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