序章4 雨の妨害
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場所は変わって、ここは世界最強の8強国の一角、ソ連。
辺りは薄暗い、湿った空気。上は真っ黒に漂う入道雲。将に、雨降らんとすような、だが、既に降ったような、不思議な気候が漂う。燕は、その風に身を任せ、烏はその雲に抗うかのように、電信柱の上、鳴き続ける。自然的な森と言うよりは、人工的な運動場のようなところであり、何かの訓練でも行われるであろう、場所であった。風は強くなる。辺りはさらに暗くなる。燕も烏も雲のない方へ去っていく。そして、そのまま、雨は降り続けた。気候が、それ事態が、この国の何かにわぶようにして。雨は思うがままに降り続けた。腹あしな情緒もあるのか、雷、稲妻、突風も起こる。
ここでもまた、滴は落ちなかった。回りに見えるのはこんな気候の中でも出てきた、人間どもの陰。なにやらなにやら…………………
『おい、リア!!雨どうにかしろよ。これじゃ、訓練にもなりゃ、しねぇ。』
『無茶言うな。俺の超能力は父親と違って、そんな有効じゃないんだ。さっきから空間歪めてるけど、特に、何も起こりゃない。』
時間は、その流れに任せて流れ続ける。雨は時間に抗うように降り続ける。しばらく時間がたった。どれくらい経っただろうか。1時間?2時間?いや、そんな時間では推し量ることはできない無常の時間であったのかもしれない。まるで、雨が、その気候が何かを隠しているようだった。雨はやむ。それによって出て いた霧も晴れる。辺りは明かされていく。人間ども、それは何とも奇妙な顔触れであった。軍人の格好にして、男性はもちろん、女性、老人、子供までをも含む。
そして、滴は落ちる。
ーbeng over the beginning
ーthe story finally does start