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プロローグ

「先生、大変です! 心拍数低下! 危険な状況です!!」


「……今の世界人口は?」


「70億と……”1人”です」


「そうか……ではやはり、”リミテッド”だな。すぐに母親を呼んでくれ」


「でも、母親は産後すぐでかなり疲弊していますが……」


「時間がないんだ! わかるだろうが! はやくしろ!!」


「は、はい! すいませんでした。すぐにつれてきます」






「先生! 私の赤ちゃんは!? 赤ちゃんはどうなったんですか!!」


「田中さん、心して聞いてください。今の世界人口は70億と1人です」


「!?…………つまり、私の赤ちゃんは”リミテッド”にかかっているということですか?」


「……はい、そのとおりです。タイミングが悪かったようです。ほぼ同時期に、あなたの赤ん坊以外にも、どこかで子供が生まれたのでしょう。そして、どうやら”リミテッド”はあなたの子供を選んだようです」


「…………」


「もう、時間がありません。おそらく、あなたの赤ん坊は、もってあと1時間の命でしょう」


「…………」


「緊急治療室は本来部外者は立ち入り禁止ですが、特別に許可します。最後の1時間だけでも、赤ん坊の傍に…………すいません、医師として私にできるのは、それだけです」


「…………わかりました。ありがとうございます」






「きゃーーーー!!!!」


「どうした!?」


「せ、先生……緊急治療室が」


「……自分の命よりも赤ん坊の命の方を選んだのか」


緊急治療室には、血だらけで倒れる母親の屍と、希望に満ち溢れた顔で泣いている小さな生命がいた。



今日の世界人口は、ちょうど70億だ。


それが限界。


それ以上は、許されない。





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