翔の本気!?
一通りの自己紹介を済ませた私達は、議論を繰り広げていた。
議題は、"この看板の先に進むかどうか"。
「思いっきり立入禁止って書いてあるわよ?」
「アニメ的思考でいくと、イベントを発生させるためにはこの看板を越えていかないといけないんじゃないかな?」
タカシがそれっぽいことを言う。
アニメ的思考っていうのがいまいち分からないけど。
「俺もそう思う」
ジルバまで賛成してる。
立入禁止って書いてあるのに……。
あ、これでもルールとかはしっかり守るようにしてるの。
「あの……皆さん?
俺が未来予知使えること覚えてる?」
「「「あ、、、」」」
「ぼ、ボクは翔君が疲れてるからと思って……ねえジルバ君?」
「あ、ああ。
こんな所で切り札を使うのも……なあ?」
「お前ら……俺の事を考えてくれたのか!」
ホッとしたような表情を浮かべたタカシとジルバ。
そんな二人を見上げている翔の目に、光るものが見えたような気がする。
私も何か言ってあげないと。
「べ、別に忘れてた訳じゃないんだからねっ!」
「じゃ、今から未来予知してみる」
「我、大いなる知を求む。
発動、グレゴリオの魔法陣」
「魔の力を見せんとす、魔識」
スルーされた仕返しはまた後でするとして、今は翔の未来予知を探ってみることにした。
ちなみに、私が聞こえないように呟いたのは無属性の魔法で、色々な場面で役に立つの。
今日のオヤツが何処にあるかとか、大事なことが分かるから、重宝するわ。
「ホアァァァァァァ」
「こ、これが翔の本気!?」
ジルバが驚いている。
演技だって分かり切ってるのにね。
「いや、別に叫んだ事に深い意味は無い」
「何だって!」
ほらね。
「俺はなんて馬鹿な奴な「はい、未来予知出来ましたー」
「どうだったの、翔君?」
「とりあえず、この先、200メートル辺りで分かれ道がある。
そこを右、次は左、右から3番目、左から74番目の順で分かれ道を突破すれば出口らしい」
未来予知……ね。
不思議な感じだった。
見たところ無属性魔法の一種みたいだけど、翔の魔力が減っていく様子は無かった。
……まあ、悪い奴じゃなさそうだし、あんまり深く考えるのは止めよう。
「おーい、ミカ、置いてくぞ」
「はいはい、今行くわ」
「よし、全速前進だっ☆」
短めですが、投稿させて頂きました。
何だか学校で分厚い冊子を貰ってきました。
宿題とか書いてあったけど、もう気にしませんドヤッ