新キャラ登場!……二度目だね
そう、タカシも異世界から転移してきたのだっ!
え、私の感動ストーリーがテキトーにまとめられた……。
というわけで、何故かミカ視点になってしまったこの小説。
※どういうわけ?※
一体どうなるのでしょうかっ!?
※特に何も考えていません/(^o^)\※
とにかく、今回も始まるよー。
「とにかく、だ。
俺達に残された手段を挙げていこう」
うわー、なんか翔が仕切ってる。
若干様になってるような、なってないような……?
「ミカ、お前はどうだ?
何か意見ある?」
「私はここで待ってるのが無難だと思うわ。
べ、別に、あんたのためなんかじゃないんだからねっ!」
「モンスターのこと?
それならもう大丈夫だよ。
ね、翔君?」
「ああ、タカシに魔法の使い方と、受け身の方法を教わった」
「翔君、凄い筋がいいんだよ!
火球くらいなら使えると思うよ」
私は魔法系統の能力をかなり上げてるつもりだけど、新しい魔法を使えるようにするには、一ヶ月。
最低でもこのくらいの期間、魔法漬けの毎日を過ごさないといけない。
……つまり、翔が天才も天才、大天才ってこと。
「そのくらい当たり前でしょ」
ま、そんなことは言ってやらない。
翔って、調子に乗せると面倒臭そうだから。
「とにかく、だ。
俺達に残された手段を挙げていこう」
「うわー、なんか……って、無限ループじゃん!」
「いや、周りをよく見るんだ。
変なのがいるから。
我が家のゴキブリ並にたくさんいるから」
「……これは、まずいわね」
「うん、まずそうだね」
いつの間にか私達の周りを取 り囲んでいたのは、虎蜚蠊。
※ 蜚蠊でゴキブリって読むらしいです※
「っていうかさ……ネーミングセンス酷くね?
虎→タイガー
蜚蠊→コックローチ
だろ。
英訳してくっつけただけじゃん」
確かに。
そもそも、私の世界(他の世界なんて知らないけど)のモンスターは、単純な名前が多い。
虎とか、麒麟とか、遍銀とか。
※動物園ですね、分かります※
「あと8秒で一番小さいやつの左隣にいるのが突進してくるぞ。
その次は突進してきたやつの二つ左が突進してくる、気をつけろ」
なんでそんなことが分かるんだろう?
……尋ねようと思ったけど、翔の目が本気だったから止めておいた。
私は私なりに準備しないと。
「我、敵を灰にす力を求む。
発動、グレゴリオの魔法陣」
「ゴキゴキッ」
「花火の如く燃えよ、火遊火球」
どーん
ちょっとマヌケな音をたてた私の魔法は、しっかりと命中。
次に突進してくるやつに備えようとしていたときのこと。
「ゴキゴキゴキキッ」
煙の中から、怒った感じのゴキブリ――もうゴキブリでいいや――が突進してきた。
ど、どうしよう。
私の近接戦闘能力は、かなり低い。
一撃なら耐えられるかもしれないけど、二撃目以降はあまり自信がない。
「ゴキッ」
「くっ……」
カラン
つ、杖を叩き落とされた……。
あ、また攻撃してくる。
もうダメだ。
とりあえず守って、翔達のために時間稼ぎでもしておこう。
と、思った直後、
「……火波」
いつの間に使えるようになったいたんだろう、翔の火波が、ゴキブリ達を灰にしていく。
そして、私の方へ向かってきた。
「ええぇぇぇ!?」
「「あ」」
さっきまでゴキブリをバッサバッサとなぎ倒していたタカシと、張本人の翔が何か言ってるけど、聞こえない。
目の前の火のせいで。
こころなしかさっきよりは若干遅くなったような気がする、なんて、200km/hくらいの炎に思ってみた。
「こうなったら最終奥義、ブハ○ハ!」
「ド○クエktkr」
ジュワッ
シャレにならないような音をたてた炎は、ゴキブリと洞窟の壁とを一気に溶かして消えた。
「「…………」」
私とタカシは、何も言うことができなかった。
理由を説明するには、まず魔法についてわかってもらわないといけないの。
魔法っていうのは、発動するまでに3つのステップを踏む必要がある……あくまで、普通に魔法を使う場合だけどね。
まあ、普通に魔法を使うっていう前提で進めていくわ。
まず、魔法の構成、仕組み、呪文とか、色々覚える。
これが1つ目のステップ。
これが面倒くさいのよね。
まあとにかく、これで魔法が使えるようになるの。
次に、魔法を使うときのこと。
召喚陣っていって、魔法を召喚するための魔法陣みたいなものを作る。
召喚陣は呪文の詠唱だけで作れるわ。
最後に、呪文を唱えて魔法を召喚する。
大気中のマナを使って召喚する場合が殆どだけど、異世界から何かを召喚している人もいるとかいないとか……。
とにかく、この3つのステップを踏むのが魔法。
で、翔が使ったのは、2つ目のステップをすっ飛ばした無詠唱魔法。
すぐに発動できる、っていうメリットはあるけど、無詠唱用の魔法構成とかを覚えたりしないといけない。
それに、無詠唱魔法は威力が極端に落ちるの。
そうね……メラゾ○マとメ○くらいの威力の差が出る、これなら分かりやすいんじゃない?
他にも属性とかいろいろ面倒くさいこともあるけど、まあ、魔法についてはこんなところよ。
「でさ、土御○がさ……」
「あ、禁書○録?
俺全部見てねえんだよ。
超○磁砲は全部見たけどな!」
「っていうかインデ○クスww」
「たしかにw」
トントン
「……翔、私の話聞いてた?」
「いや、全く」
ドヤ顔で答えられた。
「我、敵を灰にす力を求む。
発動、グレゴリオの魔法陣」
「ミカ?
おーい、ミカさん?
いや、ミカ様?
何をなさっているのですか?」
「何を言おうと今さら!
焚火の如く燃えよ、火遊火塊」
私の周りに丸い火が無数に浮かぶ。
「我、敵を水とす力を求む。
発動、グレゴリオの魔法陣」
タカシの詠唱で、
「ため池の如し、水遊水盾」
水の盾が出現する。
と、同時に、
「氷壁」
翔の詠唱で、氷の壁ができる……氷!?
翔の魔法が私とタカシの魔法を呑み込んで凍らせる。
「召喚陣無しで氷属性の魔法をっ!?」
「やっぱり翔君は魔法が上手だなぁ」
「…………」
私は何も言えなかった。
氷属性っていうのは……面倒だからまた今度ね。
「っていうか、何も言わなかったのはミカなんだろ?
会話文が一つ多くないか?」
「「確かに」」
「バレちまったか」
ガシャン、と金属音と共に影から出てきたのは、鉄の鎧(市販)に鉄の盾(市販)、鉄の兜(市販)、鉄の剣(売値のシールがついたまま)、を身に着けた男。
「お、おまえはっ!」
「翔君、知り合いなの?」
「「こんな奴知らん」」
初対面の人とハモってるわ。
「「とりあえずは、自己紹介といこうじゃないか。
俺は俺杉は浦ジル翔だバだ」」
「「なるほど……いい名だ」」
「聞き取れなかったんだね」
「なんか……変な奴」
タカシと私の意見。
「そんな事ないぞ、なあジルバ?」
ガシッ
「そうだよな、翔」
ガシッ
二人で肩を組んでる。
「で、我が友ジルバよ。
出口はどこだっけ?」
「確かあっちだ」
ジルバの指差す先には……看板があった。
廃坑につき立入禁止、と書かれた看板が。
「よしみんな、全速前進だっ☆」
「我、敵を灰にす力を求む。
発動、グレゴリオの魔法陣」
「焚火の如く燃えよ、火遊火塊」
「そうだな……タカシに任せるか。
魔法使うのもかったるいし」
「えー、僕、もう疲れたからジルバ君よろしく」
「何だよこのテキトーな流れは。
まあいい、俺の実力をみちてやる!」
「「「噛んだね(な、わね)」」」
「クソッ、我、敵を氷とす力を求む。
発動、ユリウスの魔法陣」
ユリウスの魔法陣。
グレゴリオの魔法陣よりも昔に開発された召喚陣で、使い道は……
「属性付与、氷」
ジルバの剣が一瞬にして氷に包まれた。
そう、ユリウスの魔法陣は属性付与専用の魔法陣。
「セイヤッ、ソイヤッ、セイヤッ!」
次々に私の魔法が斬られていく。
「「「ふー、危ない奴だなまったく」」」
「いつものことじゃない」
「「そうだね」」
「納得しやがった!?」
ジルバが一人で驚いている。
「で、行くのか、行かないのか?」
翔もたまには良いこと言うじゃん、なんて言わない。
言うと調子に……あれ、前にも言ったかな?
「何がだ?」
もちろんこの看板の先に決まってるじゃん。
「そりゃもちろん、俺たちと一緒に行くのか、ってことだ」
うんう……えーーー!
「俺を……仲間にしてくれるのか?」
「もちろんさ」
「……よろしくな!」
そんなこんなで、仲間が一人増えましたとさ。
で、看板の先には進むの?進まないの?
――それは、また次のお話。
とりあえず生存報告です。
宿題が終わってないのはいつものことです。
あ、先生、それは新しい宿題?
やめてぇぇぇガクッ