翔とQBと死亡フラグと
「……ん?」
「あ、目が覚めたみたいだね翔」
「……なんだ、QBか。
やっぱり夢じゃなかったのか。」
「……どうしたの?
無事にリア充の間から抜け出せたじゃん!」
異常なまでに明るいQBに対して、やけに暗い翔。
「いや、これって夢じゃないのかなって思ってさ……。
だってさ、友達がいきなり火とか雷とか飛ばしてきて、逃げた先には変なウサギだぜ」
「変なウサギ言うな、変なウサギ」
QBのツッコミが炸裂!
翔に200のダメージ!
翔は倒れた!
QBは2の経験値を手に入れた!
「倒しちゃった!」
キョロキョロと周りを見渡すQB。
「誰も見てない……よね?」
そして、なんだか危ないことを呟いた。
「翔にかまってたから気付かなかったけど、案外良い場所に転移したなぁ。
無作為転移だったのに」
確かに、QB(+屍)がいるのは高い丘の上で、下を眺めてみると、綺麗な湖が見えた。
「これは……湖に行くとイベントが発生するパターン……だよね?」
「お前も厨二病患者だったのか……。
残念だ、良い奴だとおもってたのに」
QBの後ろに、のっそりと起き上がった翔。
「か、翔っ、大丈夫!?
……確かにトドメをさしたはずなのに」
「オイコラ、聞こえてるぞ」
「何のことかな?かな?」
「ちなみに俺は梨花ちゃん派だ。
周りは沙都子派ばっかだけどな」
※著作け(ry※
「実は、僕も沙都子派なんだ」
翔の心に2000のダメージ!
翔はなんとか持ちこたえた!
「に、2000もダメージ与えたのにまだ生きてる!」
「心だけは強く育ててきたからな!
ちなみに、氷タイプの攻撃は効かないぜ!(冷たい視線的な意味で)」
「さ、湖の方にでも行こう」
「……おいら、何だか悲しいや」
一人称が変わっている翔を置いてスタコラサッサ、QBは空中に浮きながら移動する。
――30分後、
「「あ、」」
一人と一匹が声をあげた。
ポツンと建てられた小さな小屋が目に入る。
「……どうする?」
翔がQBに尋ねる。
「未来予知でも使ってみれば?
せっかくの能力なんだし」
「おお、その手があったか!
色々あって驚きすぎたから、ついつい忘れてたぜ!」
(……大丈夫かな、この人)
※QBが密かにそう思ったのは内緒さ!※
暫く目を閉じて集中している翔。
「スースー」
「寝るなっ!」
QBのこうげ「「醜い文字数稼ぎはもういいから」」
※(´;ω;`)ウッ…※
「で、どうだったの?」
「ああ……よく分かんなかった」
「え?」
首を傾げるQB。
「扉を開けるところまでは見えるんだけどなー、QBが俺を脅して扉を開けさせるところまでは」
「べ、別にそんなこと考えてなんかないんだからねっ!」
「脳内で目の前に美少女を出現……出来なかった」
やけに残念そうな翔と、やけに虚しそうなQB。
「とりあえず進んでみようか?」
「ああ、そうしよう。
他にイベントが発生しそうな物も見当たらないし」
「……僕達がそんなこと言ってもいいのかな?
一応は小説なんだよね、これ」
「大丈夫だ、問題ない」
※エルシャ○イですね、分かります※
話しながら、いつの間にか扉の前に。
「しっかし、この先が見えないんだよな」
「気にすることないって、たまにはそういくこともあるよ」
「……そうか、じゃあ開けるぞ」
翔が古びた扉に手をかける。
そして――
ギギギギギギギギギギ
――もの凄い音と共に、そして、案外簡単に、扉は開いた。
「「…………!!」」
二人の間に緊張と驚きが走る。
((こ、これはっ))
「「明らかに死亡フラグっ!」」
小屋の中には☆危険なんだから押しちゃダメなんだからねっ☆
と書いてある赤いスイッチがポツンと置かれていた。
「……ツンデレって流行ってるの?」
「なんかゴメン」
「気にすんなって。
で、お前は押したりしないよな?」
「流石に、こんな見え見えの死亡フラグに引っ掛かるほどバカじゃないよ」
意思の疎通は十分だったようで、どちらからともなく、ソロリソロリと小屋から出ていった。
「誰だろうな、あんなに分かりやすい死亡フラグを……」
「きっと翔みたいな人が……いや、何でもないよ。
この小屋に何もなかったってことは、他にイベントが発生しそうな物を探さないと」
「そうか……せっかく見つけたと思ったのに。
仕方がないか」
ギギギギギギギギギギ
翔が扉を閉めた時のことだった。
「「!?」」
突如として、翔達の足元が光り出す。
「この魔方陣は……強制転移だっ!
翔、僕に掴まって!」
そんなQBの言葉が伝わることはなく、虚しく空に響いただけだった。
「…………」
直後、悲しそうな表情のQBの姿も光に包まれた。
あれです、困ったときのサブタイトルはこんな感じです。
許してやって下さいm(_ _)m