出番が短いジルバの本気
「あれ……ここは、どこ?」
見たことも無いような機械が沢山置いてある。
「……将斗様、申し訳ありません。
翔とやらの魔力が想像以上に強かったもので……。
リミッターを外す時間がありませんでした」
あれは……ジルバ!
変な機械の陰から確認できたのは、明らかにジルバの装備――値札つけっぱなし装備――だった。
あれだけの魔力が直撃だったはずなのに、どうして生きてるの?
「なる程、それで強制転移が発動した、という訳か」
「その通りで御座います」
「まあ良い、失敗など誰にでもある。
ただ、二度目は許されんぞ?」
「許して頂けるのですか?
ありがとうございます!」
「次は……そうだなNo.4を向かわせよう。
お前は、次に備えておけ」
将斗とやらはそう言いつつ、培養液のような物で満たされた容器を引き寄せた。
「お前の出番だ、No.4」
「かしこまりました」
細い容器の中から出てきたのは……白い、ウサギのような生き物。
それは、明らかに私の目を見て言った。
「僕と契約して魔法少女になってよ!」
「……カ、おーい、ミカ?」
「返事がない、ただの屍のようだ」
「タカシ、そんなこと言って大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない。
気を失ってるみたいだし、聞こえてるわけないよ」
ボカッ
「か、け……ガクッ」
「タカシぃぃぃ!」
言いたい放題だったみたいだから、ちょっと叩いてみた。
後悔も反省もしていない。
「で、分かれ道はどうするの?
違う道を選んだからもう一度未来予知するの?」
「ああ、もう一度やり直しだけど……ミカ、お前は大丈夫か?
かれこれ二十分くらい気を失ってたみたいだけど」
そんなに気を失ってたんだ……。
何だか不思議な感じだったな。
「で、もう大丈夫なのか?」
「う、うん、もう大丈夫」
「そうか。
じゃあ行くぞ!」
「「おー!」」
あれは夢だったのかな、やけにリアルだったけど……ま、気にしなくてもいいかな。
怪しい視線が私達を見つめていたことに、誰一人として気付くことはなかった。
なんだか短めですが、投稿してみました。
相変わらずの駄文&著作権……。