表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

なにかがはじまる……らしい?

ポカポカした陽気の中、一人の青年がいた。


名前は―――まだな「オッス、オラ翔。

なんだかワクワクすっぞ!」


名前は――あった。


「杉浦、早く3番の答えを書きなさい!」


「…zzz」


「もういい、じゃあ佐々木、お前が代わりに―キンコンカンコン―仕方がない、続きは明日だ。

号令!」


「起立、気をつけ、礼」


まるでやる気が感じられない号令。


いつものことなのか、教師も咎めることはなかった。


「ヤフー、学食の時間だぜぇぇぇ」


「でもお前、今月は…いや、今月も金欠なんだろ?」


「く、一撃で急所を突いてくるとは……ガクッ」


「いや、なんもしてねぇし」


「お腹が減って力が出ない〜」


「どこのアンパンだ馬鹿野郎が。

ほれ、弁当」


「おお、神様仏様将斗様〜。

このご恩は忘れるまで忘れません」


「俺の経験からすると、お前って忘れっぽいんだな。

それも極端に」


「ま、食べますか。

なにこの唐揚げ、油ばっかじゃん」


「せっかく廃棄処分になりそうだった弁当を貰ってきたってのに…。

殴るぞ」


ヒュッパシッ


「殴ってから言うな…ってか?」


驚く将斗、ニヤリとする翔。


ヒュッパシッヒュッパシッ


「俺だって何度もやられれば学習するのさ」


「あ、唐揚げ貰い」


「俺の唐揚げえぇグハッ」


床に倒れながらカメラを構える翔。


パシャリパシャリパシャリ


カメラを連写する音が。


「ムフフ」


「キャー、変態〜」


女子生徒の悲鳴が。


ペチッ


唐揚げが投げつけられる音が。


「…唐揚げはおかしくね?」


ペチッペチッペチッペチッ


教室中の唐揚げが。


「お、俺は悪くないぞ。

俺を殴った将斗が…そう、将斗が悪いんだからな?

だから、俺をいじめるなって」


ジーッジーッジーッ


数多の冷たい視線が。


ビシャッビシャッビシャッ


数多のお茶が。


ビシャッビシャッビシャッ


数多のドクペが。


「く、こうなったら…現実逃避してやんよ!

主にドクペのせいで」


「総員臨戦態勢。

全力にて目標を駆逐せよ」


「将斗…謀ったな、謀ったな将斗ぉぉぉ!」


窓へ歩み寄る翔。


「おい、そっちは窓だぞ、はやまるなって。

別にお前のことを酷い目にあわせようなんて思ってないから」


「金属バット持ちながらニヤニヤしてる奴が言うことかよ!

じゃあ俺は帰るから先生様によろしく伝えといてくれ。

ノシ〜」


「あいつ、マジで飛び降りたぞ!」


「マズいんじゃねぇの?

ここ四階だし」


「落ち着け、クラスメートその1とその2。

奴はこんな事じゃ死にやしない。

…死ねばいいのに」


「「べ、別に死んじゃったら写真が見れないなんて思ってないんだからなっ!」」


「男のツンデレは無いと思う。

っていうか最悪だし」


「そんなこと―キーンコーンカーンコーン―」


「ほらお前ら、早く座れ!

それとこの列、机が曲がってるぞ、真っつぐだ、真っつぐ!」


「やべ、体育の田中じゃん」


「なんでアイツなんだよ…」


「ほらそこ、動きが遅いぞ、妥協するな妥協するな!」


この時、クラスの意見が一致した。


(((黙れよこのジェネシス野郎が)))と。       


見た目が猿に酷似しているうえに、知能も低いので、猿の惑星的な意味でジェネシスと呼ばれているこの教師。


「で、今日の休みは誰だ?」


「ジェネシ…田中先生、今日休んでるのはさっき窓から飛び降りた杉浦君だけです」


「そうか、じゃあ授業やるぞ。

教科書は87ページ資料集は56ページで………」


kakukakusikazika、いや、かくかくしかじか、学校が終わったよう。


なんで授業がスキップされてるのかって?


ジェネシスの授業なんて文章にしたくもないからです。


※一部、というか一つ上の文に明らかに作者個人の意見が混じっております。

大変申し訳ございませんでした。

ちなみに、ジェネシスは、我が校の体育教師、T中がモデルになっております。

本当に酷い授業なんで(略※


「高橋君〜、今日掃除当番だよ〜?」


「ああ悪い、ちょっとバカを討伐しなきゃなんないからさ…。

掃除は頼んだぞ、入江!」


入江の返事も聞かずに、猛スピードで教室を飛び出していった将斗。


あ、珍しくマトモに名前がついてますが、これ伏線です。


ちなみに、下の名前はミカ。


「まったく…。

五寸釘と藁人形用意しとかないと」


ミカがそんなことを呟いているとは微塵も思っていない将斗。



そんな将斗の足が一軒の家の前で止まった。


チャイムを鳴らそうともせずに、一気にドアノブを掴んだ。


そして――


「ただいまー」


…我が家に帰宅した。


「パソコンパソコン、と」


ノートPCを起動する将斗。


クリックしたのはお気に入りに登録してあるサイトの1つ、"翔様チャット"。


「しかし、いつ見ても嫌な名前だな。

とりあえずログインしてやるか」


システム:M.Tさんがログインしました


翔様:よう


M.T:おお、2時間ぶり位だな、クズ野郎


翔様:コーンの缶詰に入ってる汁の分際で生意気な


システム:M.Tさんが現実逃避しました


翔様:おーい


翔様:おーい


翔様:おーい


翔様:返事がない、ただの屍のようだ


システム:M.Tさんがログインしました


M.T:勝手に殺すな。

とりあえず宿題やりたいんだが。


翔様:まぁ待てって

真面目な相談があるんだ


M.T:お、何だ?


翔様:何故コーンの缶詰に入ってる汁が人間みたいな行動をしてるかってこと何だけど…

お前はどう思う?


システム:M.Tさんが現実逃避しました


翔様:おーい、次はマジだから戻ってきてくれー


システム:M.Tさんがログインしました


M.T:で、真面目な相談って何だ?


翔様:いやね、信じてくんないかもしれないけどさ…俺さ、未来が見えるがみたいなんだよね


M.T:あれか、未来予知ってやつか

超wktk(棒読み)


翔様:いや、マジたから


M.T:そうか


翔様:今日の昼にお前に殴られたじゃん

そんでパシッってなったじゃん


M.T:そういえばそうだな

パンチ止められたのにも驚いたたけど、それよりもお前の国語力の無さに驚きだよ


翔様:よく言われる


M.T:で、昼のやつは未来予知のおかげってことか?


翔様:まあそんなとこだ

だからわざと殴られてナイスな写真を(略

無事に窓から飛び降りられたのも未来予知のおかげだし


M.T:そうか

ってことは、もう使いこなしちゃってる感じなのか?


翔様:使いこなしてる、ってレベルではないかな

少なくとも俺はそう思う


M.T:じゃあ俺は宿題やるから

また明日なノシ


翔様:ノシ


システム:M.Tさんがログアウトしました


システム:翔様がログアウトしました


「宿題は…将斗に見せてもらうか。

今日はもう寝るとしよう…zzz」


暫くボーッとしていた将斗は、突然、ものすごいスピードでキーボードを叩き始めた。


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ


※段々、タカタに見えてきたのは気のせいでしょうか?※


とにかく叩く叩く叩く、キーボードを。


※…倒置法ってやつです!(知ったかぶり)※


そんな将斗のもとに一本の電話が。


「もしもし、オレだよオレ」


「オレオレ詐欺はお断りします」


「で、例のプログラムなんだけどさ……どうだ?」


「ああ、丁度今完成したところだ。

今そっちに送ったと思うからバーチャルワールドで試しといてくれ」


「了解。

で、本当に良いのか、これを実行することになっても?」


暫しの沈黙の後、


「仕方がない、これも運命ってやつだろう。

向こうでのことは任せたぞ、ジルバ」


「任された。

じゃあ、結果が出たら送っとくから」


「じゃあな」


「おお」


プーップーップーッ


「……翔、お前はいい奴だったよ」


呟いた将斗はベッドに倒れ込む。


「楽しかったぜ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ