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好きだと伝えたら、一旦保留って言われて、考えた。  作者: さこの


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久しぶりの王宮

久しぶりに王宮へ足を踏み入れました。

緊張していたら突然ナセル様が、とんでもないことを言い出しました。

「ごめん、先に母上に報告しなきゃ。ルイズとシャノンも来てくれ」

「はい、わたくしも王妃様にご報告を」

ルイズ様が返事したけれど、驚きのあまりに戸惑ってしまいました。

「えっと、わたくしは、」  

え! 王妃様に会うの? 急すぎでしょう……突然の訪問で失礼があっては困る。

「行こうシャノン」

ナセル様に手を繋がれて、強引に歩かされてしまった。

「ナセル様、心の準備が!」

「大丈夫だって! 母上もシャノンに会うと喜ぶよ。サプライズだと思って諦めて」

さ、サプライズ……そんなこと許されませんよ。王妃様に!

しかもついた先は、王妃様の私室……! 無理です。変な汗が出てきました!

ナセル様は侍女に取り次ぎを頼むと、ノックをして入室する。

「母上、ただいま戻りました」

「王妃様、ルイズでございます」

チラッとナセル様が私を見た。あ、挨拶ね。そうですよね。緊張する──

「王妃様、お久しぶりでございます。シャノン・ド・コレットでございます」

ルイズ様と共に淑女の礼をした。

「あら、まぁ! シャノンじゃないの。二人とも顔を上げて楽にしてちょうだい」

王妃様の驚いた顔。相変わらずお若くて美しいです。

「サプライズ成功ですね。ルイズとシャノンと同じクラスになりました。母上にサプライズをしようと思いシャノンを連れてきたんですよ」

「あら、と言うことは三人ともSクラスなのね! おめでとう」

「「ありがとう存じます」」

「兄上もシャノンを見ると驚くかと思って、今からルイズとシャンノンを連れてお茶をしようと思います」

「あら、それはいいわね。そうだわ! いいものがあるのよ」

王妃様が隣国の使者から戴いたという、とっておきのお菓子があるのでお茶菓子に出すようにと侍女に指示してくださいました。

「シャノンに会うのは、ナセルの入学祝いのお茶会だと思っていたから嬉しかったわ」

そう言っていただき、少しお話をさせてもらい退室しました。緊張が解けて少しだけホッとしました。

「ね! 喜んでいただろう」

「はい。お会いできて光栄でした」

「ルイズ、悪いけど兄上を呼んできてくれる? 兄上には伝達してあるから時間を空けてくれるはずだ。私達は先にバラ園で待っているよ」

「ふふふ。楽しみね! それではお呼びしてくるから、またあとでね。シャノン様」

手を振って一旦お別れしました。

「前にバラ園で遊んだことあるよね。覚えている?」

「はい。もちろん覚えています。今日のお茶会はバラ園でするのですか?」

「うん、天気もいいし外の方が気持ちいいだろう」

「はい」

ナセル様と廊下を歩いていると声をかけられた。聞き慣れた声です。振り向くと驚いた顔をしたお父様がいました。

「シャノン!」

「お父様」

「侯爵、こんにちは」

「こんにちはナセル殿下。シャノンが王宮に来ていると聞いてどうしたのかと気になってね」

お父様は急いで来たようで、少し呼吸が辛そうでした。

「今からね、王太子殿下とルイズ様と、ナセル様とお茶会をします」

「ルイズ嬢と同じクラスだったのかな?」

「うん。ナセル様とも同じSクラスで今日は久しぶりにお会いしてお誘いいただいたの。ダメだった?」

「いや、ダメではないよ。楽しんでおいで。お茶会が終わったら私の執務室においで。一緒に帰ろう。それではナセル殿下、娘をよろしくお願いします」

お父様に頭をぽんと撫でられた。

「はい、お任せください。行こうかシャノン」

小さいころ、お父様とよく王宮に来ていたのを思い出す。

お父様は私に甘いから、頻繁に王宮に連れて来てもらっていたけれど、今考えたら仕事の邪魔だったと思う。そんなことを考えているとバラ園に到着した。

「わぁ。見事にバラが咲き誇っていい香りがします」

くすくすと笑ってナセル様は懐かしそうな顔をして笑いました。

「変わらないね、シャノンは……いつも同じセリフを言うんだから」

「だって……いつ見ても手入れが行き届いていて、素敵なんですもの」

ここへきたのは八年ぶり? かな? 懐かしい。

「後で散策しよう。兄上は忙しいからどうせ三十分もいやしないさ。ちょうどティータイムを狙って誘っているんだよ」

「相変わらず、お忙しいのですね」

「そりゃ王太子だから忙しいさ。あっ、噂をしたら来たぞ! 兄上! こちらです」

「なんだよ。わざわざこんなところで、俺はこう見えて忙し……、ん? シャノン? シャノンじゃないか!」

「王太子殿下、お久しぶりです。シャノン・ド・コレットでございます」

淑女の礼をした。

「顔を上げて楽に。どうしたんだ急に!」

「マックス驚いたでしょう? ナセル様がサプライズをしようと、さきほど王妃様の元へも行きましたのよ。とても驚かれていましたわ」

ルイズ様が経緯を説明をしてくださいました。

「だろうね。それは驚くだろう。それにしても久しぶりだなシャノン。ここにいると言うことは三人ともSクラスだったのか?」

「はい」

「そうか。ナセル良かったな。シャノンは美しく……いや……変わらず可愛いな」

「……ありがとう存じます!」

変わらないと言うことですかね。八歳の頃と?

「ぷっ、そう膨れるな、シャノンは変わらないな」

「もう十五歳ですから、子供じゃありませんわ」

王太子殿下は昔から気さくな方でお兄さんといった感じがします。その頃からルイズ様とご婚約をされていたので不思議な感じです。

ルイズ様は私と同じ歳なのに大人っぽい雰囲気ですし。王太子殿下とお似合いです。

ナセル様と同じ顔立ちなのに王太子殿下は少し野性味溢れる雰囲気で陛下に似ていらっしゃいますが、お優しい方です。

三十分程とナセル様は仰ったけれど、一時間ほどお話をさせてもらいました。とても懐かしく、楽しい時間を過ごすことができました。



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