秘密主義
ある日の放課後、レオが廉と杏那に聞く。
「学園でおかしなことは起こっていないか?」
二人は顔を見合わせると、杏那が返事をする。
「少し前に水宮様と私が婚約するという噂が出回りましたが最近は落ち着きましたし、表立って起きているような問題はないように思います。ただ、最近女生徒の欠席が少し多いようですわ。」
学園の授業は男女別のため、レオは廉にも確認する。
「男子生徒の方はどうだ?」
「こちらは特に問題は出ていません。欠席者もほとんどいません。」
「女生徒のみ欠席者が増加か…。欠席理由は分かっているのか?」
「皆さん体調不良のようですわ。ですが、事前の兆候はなく突然欠席されるのですよね。長引いているようで、欠席が続いておりますわ。」
風邪や感染症ならある程度、軽い症状が出始めてから重症化するので周囲の人間には欠席の予想がつくし周囲も自分は移らないようにと気を付け予防をする。しかし今回は風邪などの兆候がなかった女生徒が突然欠席し、さらには欠席が続いているという。
違和感を抱いたレオはさらに質問をする。
「欠席している女生徒の共通点は何かあるのだろうか?」
「共通点…学年も家柄も共通点はないようですわ。」
杏那が応えると廉が口を挟む。
「関係しているかは分からないが、僕を見て噂話をしていた女生徒たちが最近学園に来ていない気がする。」
廉の言葉を聞いてレオは自身の仮説に確信を抱く。
欠席しているという女生徒の住所を杏那から聞くと、レオは様子を見てくるといって庭に出た。そして白虎の姿となり空を駆けていった。
その様子を目の当たりにした廉が目を丸くしていると豪が説明をしてくれる。
「あのお姿を廉の前でも見せたということは廉をお認めになったのでしょう。」
「伯父さん、どういうことですか?ただの護衛騎士ではなかったのですか?」
レオは廉に“自分は杏那の護衛騎士”と自己紹介をしていたので、廉はレオを人だと思っていたのだ。
「レオ様は神城家を加護する太陽神様の遣い、神獣の白虎殿なのだよ。」
豪から告げられた新たな真実に驚く廉が周りを見回すと杏那も理世も驚いていない。
「皆知っていたのですか!?」
杏那も理世も少し気まずい笑顔を浮かべている。
「廉よ、まぁ落ち着きなさい。レオ様の意向で私たちも口止めされていたのだ。とても高貴で思慮深いお方、ご自身の認めた者にしか自身の秘密は告げないお方なのだよ。」
廉が呆気に取られていると、理世が声をかける。
「廉様、気を取り直して剣術のお稽古でもいたしましょう。レオ様はお出かけになられましたし、今日は私が相手になりますわ!」




