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演習

PM 1:31

埼玉県

 県内で屈指の敷地面積を誇る味付雷(あじふらい)公園に集まったシゲミ、歯砂間(はざま)皮崎(かわさき)鷹見沢(たかみざわ)、キョウイチ。


 芝生の上に歯砂間が立ち、向かい合うように4人が三角座りをしている。



歯砂間「私とシゲミさんで、ポコポコ討伐作戦を立案した。今日から作戦実施日の10日後まで、この公園で演習を行う」


鷹見沢「マジでここでやるんすか?」



 辺りを見回す鷹見沢。複数の親子連れやカップルから視線が注がれていることに気づく。



歯砂間「本当なら『(りょう)』本部の地下演習場を使いたかったけど、この作戦は『魎』に極秘で行う都合上、別の場所で演習しなければならない」


鷹見沢「……恥ずいっすけど、しゃーないっすね」


歯砂間「今は私たちをイロモノとして見ている人たちも、ポコポコを討ち取ったと知れば見る目が変わるはず。なにせ彼らの、ひいては全人類の命を守ったことになるのだから」


キョウイチ「周りの者をぎゃふんと言わせる展開……押忍(おす)! 嫌いじゃない!」


歯砂間「では作戦の詳細を伝える。ポコポコに対して近・中・遠距離、3つのレンジから攻撃を行い邪気を消耗させ、最後に最大火力の攻撃を叩き込むというものだ。『魎』の研究で、怪異が放てる邪気は個体によって差はあるものの、限界量があることがわかっている。そして休息や栄養を取らないと邪気は元の量に戻らない。人間でいう血液のようなもの」


シゲミ「私たちで攻撃を繰り返してポコポコを防戦に追い込む。ヤツは防御のために邪気を使うから、どんどん追い込んで邪気を限界まで放出させる……」


歯砂間「そう。邪気が切れればポコポコに攻撃が通るはず。もちろんポコポコも反撃してくるだろうから、どちらかが根尽きるまでの消耗戦になると予想される」


皮崎「大まかに理解しました。それで、私たちはそれぞれ何をすれば良いのでしょう?」



 歯砂間は左手の人差し指で鷹見沢を指す。



鷹見沢「まずは鷹見沢くん。キミはポコポコに勘づかれないよう300m以上離れた地点から狙撃。邪気を込めた弾丸でポコポコの邪気を相殺する。キミのサポートがポコポコの防御を崩す要になる。絶対に見つからないよう息を潜めて」


鷹見沢「オッケーっす。ポコポコの邪気をどこまで相殺できるかわからねぇっすけど、一時的に風穴開けるくらいはできると思います」



 次に歯砂間はキョウイチを指さす。



歯砂間「そしてキョウイチくん。キミには近接戦闘をやってもらう。ポコポコを殴ったり蹴ったりしてとにかく邪気を使わせてちょうだい。鷹見沢くんの弾丸がポコポコの邪気を相殺した直後なら、攻撃を直接当てることもできると思う。反撃を喰らう可能性が最も高い役割だけど、キミの人間離れした頑強さはシゲミさんから聞いてるよ……できるかな?」


キョウイチ「押忍! ポコポコをボコボコにすれば良いと! 自分の得意分野!」



 歯砂間は指先を皮崎の顔に向ける。



歯砂間「そして皮崎先生は中距離、ポコポコから30mほど離れた距離でキョウイチくんをサポート。キョウイチくんが避けきれない攻撃が来たら、その伸縮自在の舌で軌道を()らしたり、キョウイチくんの体をつかんで移動させたりしてください。もし余裕があればポコポコに攻撃してもらっても構いません」


皮崎「承知しました。ついでにポコポコの頭皮を舐めようと思います」



 歯砂間は指を下ろし、体ごとシゲミのほうを向く。



歯砂間「最後にシゲミさん。アナタは観測手(スポッター)として鷹見沢くんをサポート。ポコポコの邪気が弱まったら接近し、できる限りの攻撃を叩き込んで。チームの中で最も火力があるシゲミさんしかできないフィニッシャーの役割」


シゲミ「了解」


歯砂間「各々の役割をしっかり理解し、演習の中で身につけてもらう。私の指示がなくても動けるようになることが目標」



 うなずく4人。



歯砂間「これより演習を開始する」

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