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VS ポコポコ様④

 ピューマのような眼光でポコポコをにらむシゲミ。ポコポコは薄く笑顔を浮かべる。



ポコポコ「オレに気づかれないよう気配を消して背後に回り、死角から攻撃を仕掛けるか。自分、やるやん」


シゲミ「邪神・ポコポコ。その濃密な邪気で体を守っているのね。だから銃弾も爆風も当たらない」


ポコポコ「ほう。他の連中に戦わせてオレのデータを収集するとは。相当手慣れてるな。せやけど、もっと仲間を大事にせなあかんで」


シゲミ「仲間じゃない。作戦遂行のため同じ船に乗り合わせただけ」



 ポコポコはその場にあぐらをかく。



ポコポコ「冷淡なヤツやな。だがご名答。犠牲を払った価値はあったで。オレの邪気はそこらの怪異とは量が桁違い。攻撃にも防御にも使える。コンクリートの壁になる毒ガスやと思ったらええ」


シゲミ「……座ってペラペラと自分の力を明かすなんて、だいぶ余裕ね」


ポコポコ「楽しくてな。ついおしゃべりしたくなってもうたわ。お互い手の内を晒して戦うのも悪くないやん? お嬢ちゃんはどうやって戦うん? 手榴弾を持ってるみたいやけど」


シゲミ「私に追いついたらわかるかもね」



 シゲミは左の太ももにベルトで括りつけた閃光手榴弾を手に取り、安全ピンを抜いて自身の背後で破裂させた。強烈な光がポコポコの視界を奪う。



ポコポコ「まぶしっ」



 光とともにシゲミは姿を消した。立ち上がるポコポコ



ポコポコ「……鬼ごっこやな。なつかしいなぁ。やるのは3500年ぶりくらいや」



−−−−−−−−−−



 港町の東側を駆け抜けながら、民家の壁面や電柱にC-4を仕掛けるシゲミ。ヘッドセットに歯砂間(はざま)からの通信が入る。



歯砂間「シゲミさん、私も上空から戦況を確認している。ポコポコはアナタを探して町の中を恐ろしいほどのスピードで走り回っているよ」


シゲミ「時間がないか……」


歯砂間「ヘリコプターからも援護射撃を行う」


シゲミ「いえ、ポコポコがターゲットをヘリに切り替えてしまうかもしれません。そうなると私がフォローに回れない。手出しはせず、ポコポコの位置だけを教えてください」


歯砂間「……わかった。ポコポコは町の南西部から北西部へ進行中。5分足らずでシゲミさんがいる東部に到着すると思われる」


シゲミ「どうもありがとう。随時連絡をお願いします」



−−−−−−−−−−



 全速力で民家と民家の間を走るポコポコ。突如、足を止めてしゃがむ。道を横断するよう足下にワイヤーが張られているのに気づいた。



ポコポコ「ワイヤートラップか。危うく引っかかりかけた。夜だとよく見えへんな。せやけど、この程度の罠でオレを仕留められないことくらい承知のはず……目的は足止めか。少しでも時間を稼ぎ、そのうちに本命の罠を準備してオレを()めようとしとるな」



 ポコポコはワイヤーを(また)ぎ、笑いながら再び走り始める。



ポコポコ「オモロい! なんかめっちゃ楽しくなってきた! あの嬢ちゃん、友達になってくれへんかなぁ!? 毎日鬼ごっこやりたい!」



−−−−−−−−−−



 埠頭に戻ってきたシゲミ。スカートの左ポケットから円筒形の起爆スイッチを取り出し、親指で押す。町中に仕掛けたC-4が次々に爆発。あちこちから爆煙が巻き上がった。


 歯砂間を乗せ上空を飛んでいたヘリコプターは爆発に巻き込まれないよう、沖合へ避難する。町の原型を失わせるほど広範囲の爆発の中、ポコポコは「ひゃっほーっ!!」と大声を上げ、走り回る。


 爆煙が町全体を覆った。シゲミが立つ埠頭まで煙は届いていない。


 煙幕の中からポコポコがジャンプしながら現れ、シゲミの目の前に着地した。多少火傷を負っており、身につけている甚平(じんべい)にも十数カ所穴が開いているが、致命傷に至るほどの傷は一つもない。



ポコポコ「見ぃつけた! めっちゃ楽しかったで、鬼ごっこ! まだ爆弾残ってるかぁ?」



 シゲミはポコポコの首を目がけて右手で手刀を放つ。しかしポコポコが上半身を後ろにそらしたことで空を切った。



ポコポコ「その様子やと、もう爆弾はないんやな? 今度遊ぶときは、もっとぎょうさん持ってきてや。この一撃食らって生きてられたらの話やけどな」



 ポコポコは右足で後ろ回し蹴りをシゲミの腹に見舞う。シゲミは埠頭から海へ大きく蹴り飛ばされ、海面をバウンドしながら500m沖合で沈んだ。


 シゲミを一瞥し、煙幕の中へ消えていくポコポコ。


 シゲミが蹴り飛ばされた姿を見た歯砂間はヘリコプターの操縦士に指示を出し、シゲミが沈んだ場所へと急行する。



歯砂間「作戦は失敗! シゲミさんを回収し、すぐに撤退する!」

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